もう、ただのハリポタ感
今回は「ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密」をレビューしマス。
筆者評価は★3.6
主演:エディ・レッドメイン
監督:デヴィッド・イェーツ
大人気ウィザーディング・ワールドシリーズ、ファンタスティックビーストシリーズの第3弾に当たる本作。
若かりし頃のダンブルドアが裏主人公に据えられ、魔法動物「キリン」をめぐる戦いが繰り広げられます。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
ニュート・スキャマンダーは、ある竹林で魔法動物「キリン」の出産に立ち合います。
しかし出産直後、母キリンは襲撃にあい死亡。ニュートも応戦しますが、賊に奪われてしまいます。
失意のニュートですが、もう1匹の別のキリンの子供を発見。キリンは双子だったのでした。
ダンブルドアが、キリンを手に入れているグリンデルバルドは、キリンの獲得によって未来を見る能力が備わってしまっているため、「誰も全貌を知らない作戦」で対抗しようと提案。マグルの「ジェイコブ」を含むチームを結成するのでした。
その後、グリンデルバルドの手下である「クリーデンス」がダンブルドアを襲撃。これを返り討ちにしますが、その中で「クリーデンス」がダンブルドア一家の人間であることを知ります。
クリーデンスは弟のアバーフォースの息子でした。
その頃グリンデルバルドは、「反マグル運動」を掲げる支持者を集め、次期魔法使い連盟代表になろうと画策していました。
伝統的に、「キリン」を使った選挙が行われてきました。キリンを操っているグリンデルバルドは、自分を選ばせました。
しかしそこにニュートたちが到着。グリンデルバルドのキリンは既に死んでいて、操られているだけだと明かすニュート。
双子のもう1匹のキリンが、別の候補者を選びます。
グリンデルバルドはその場から逃走するのでした
明かされる「ダンブルドア」の秘密
本作のタイトル「ダンブルドアの秘密」には、アルバス・ダンブルドアがグリンデルバルドと恋愛関係にあった事、クリーデンスがアバーフォース・ダンブルドアの息子であったこと、ダンブルドア兄弟の魔法によるケンカの中で、妹アリアナが命を落としていたことの3つの意味がかかっていました。
兼ねてから同性愛者の設定が考察されていたダンブルドア。やはり同性愛者でした。
タイトルの「ダンブルドア」はアルバスだけでなく、一家全体を指しているものと思われます。
クリーデンスがアバーフォースの息子であったことはさして驚くべきことではありませんでした。
妹アリアナの死因が、ダンブルドア兄弟のケンカの最中放たれた「呪い」の呪文によるものであったという事実は、なかなか大きいですね。
しかしこの兄弟喧嘩、そばにグリンデルバルドがいたということなので、「誰かの」呪いの呪文が当たった。という文言から、十中八九グリンデルバルドが殺害したと考えていいでしょう。
「ファンタスティックビースト」要素が少ない
話の中核に「キリン」という神獣が据えられているものの、実はこうした何かの魔法動物が話の中核になることは、ハリーポッターシリーズでもしばしば見られていました。(蛇とか蜘蛛とか、グリフォンとか、フェニックスとか)
これにとって付けたように、監獄の看守を大サソリがやっているというシーンが差し込まれていました。ストーリー進行の上で全然関係ないシーンで「とりあえず入れた感」が否めません。
ニュートのボックスからユニークな魔法動物がどんどん出てきて、一緒に戦い、解決していくというストーリーがファンタビの魅力なのに、基本こういった要素はありません。
普通に魔法で戦ったり、殴ったり、物をぶつけたり。ただのハリーポッターのコピーといった感じの内容でした。
もっとファンタスティックなビーストたちを出して欲しかったですね。
設定が色々ガバい?
冒頭、キリンが襲われるシーンで。詠唱こそなかったものの、緑色の魔法で母キリンは瀕死になります。
この映画シリーズで緑色の魔法といえば「アバダケタブラ」。苦しみなき即死の魔法です。
しかし、ニュートが母キリンの元へ駆けつけた時、母キリンはまだ絶命していませんでした。
この辺りの設定のガバさが少し気になる。
これに加えて、グリンデルバルドがキリンの子供の首をナイフで掻っ切る描写があります。
これはグリンデルバルドの非道徳的、残虐的な面を描くためと理解できます。が。僕のいったその日は子供が多く映画館にいました。
ハリーポッターシリーズといえば家族で見られる映画のその際たるもの。
暴力を「魔法」で行うことによって、ファンタジーに見ることができるシステムなはずでした。
ところが本作ではグリンデルバルドがナイフで首を掻っ切ります。この描写は必要だったのか?
魔法で何かすればいいだけです。
一番気になったのは、ダンブルドア家での会話。
「神獣キリンは、心が最も純粋で美しいものを嗅ぎ分け、好む」という発言がありました。その際ジェイコブはキリンにとても懐かれていました。
ジェイコブは映画冒頭でも、見知らぬ女性が男に絡まれているのを見て「おい!その人から離れろ!俺が相手してやる!」と出ていくほどの、勇気と優しさの持ち主。
この辺りを観客に印象付け、映画ラストシーンで本物のキリンが「最も代表にふさわしい物を選ぶ」という儀式で、キリンは「ダンブルドア」を選ぶのです。
ダンブルドアがこれを拒絶すると、「じゃあ…」みたいな感じで他の候補者を選びます。
なんだこれ….。正直最高にがっかりしました。
これはどう考えてもマグルのジェイコブが「魔法界のトップ」に選ばれて、物議を醸しながらも「マグルと魔法使いの良き共生社会を模索する」流れですよ。
これをしないのであれば、冒頭のジェイコブの行動シーンや、キリンがジェイコブに懐くシーンを挿した意味がわかりません。
今後のシリーズで回収されることを祈ります。
まとめ
今回は「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」をレビューしまシタ。
基本的には普通です。
ハリーポッターの魔法のあの世界は確かに存在しているので、楽しむことはできます。
「ダンブルドアの秘密」というタイトルに複数の意味がかかっていたことも面白かったです。
が、納得のいかない展開が多かったかなという印象。
コメント
概ね同意
ていうか作中での説明が少なすぎる、行き当たりばったり感が凄い
麒麟が唐突に死んだ理由も分かんないし
まぁジェイコブが魔法界トップはいくら何でもやりすぎだから、あれはあれでいいと思います
(魔法界のトップにマグルが君臨したらどう考えても暴動が起きる)
名無し様
コメント頂きありがとうございます!
「行き当たりばったり感」間違いないですね
とはいえシリーズは5〜6作を予定しているらしいので
ハリポタも中弛み(?)感はあったので、JKローリング特有のものとして楽しむしかなさそうです
ジェイコブ魔法界トップにならないにしても、キリンからの選択受け→みんなで話し合って反対、ジェイコブ推薦のものに変更
くらいはあって良かったかなと思ってしまいます><