凡作だけどラストシーンでいいねえと唸ってしまう
今回は、2018年公開のラブコメディ映画「マイ・プレシャス・リスト」をレビューしマス。
筆者評価は★3.7
主演:ベル・パウリー
監督:スーザン・ジョンソン
連日殺人鬼系の映像を見続けているところで、さすがに自分が殺人鬼に落ちそうなので一気に方向性を変え、ラブコメディを視聴することに。
飛び級でハーバード大学を卒業した秀才が、幸せになるために「リスト」に書かれた目標を達成していくという物語。
基本的につらつらと話は進んでいき、凡作といった感じの映画です。がラストシーンがとても好きでした。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
ハーバードを18歳で卒業した超秀才のキャリーは、NYで一人暮らしています。
人と関わることが好きではないキャリーは、1週間に17冊本を読んで過ごしています。
ロンドンにいる父はキャリーを心配し、知り合いのセラピストにキャリーのセラピーを頼んでいました。
セラピストはキャリーに6つのことが書かれた「やることリスト」を提示。
「ペットを飼う」「子供の頃好きだったことをする」「デートに出かける」「友達を作る」「1番お気に入りの本を読む」「誰かと大晦日を過ごす」という6つのやること。
キャリーは嫌がりながらも、やることを強く推され、試してみることに。
ペットは金魚を飼うことでクリア。子供の頃好きだったチェリーソーダを飲むことでこれもクリア。
次にデートに出かけるため、新聞に記載されている「恋人募集」の記事から「恋人はいるけど自分の気持ちを確かめたい」と書いてる男性と会うことに。
同じ文学オタクで、MIT卒の秀才ということもあり気が合う二人。惹かれ合います。
が、やはり不純な行為であると感じたキャリーは彼を切ります。
夜、外で奇妙な音がするので見てみると、男が謎の楽器を吹いています。うるさい!と叱るキャリー。
職場の同僚と友達になったキャリーは、残りの「一番お気に入りの本を読む」と「誰かと大晦日を過ごす」を達成する必要があります。
しかし、「一番お気に入りの本を読む」を達成するにはハーバード学生時代に関係を持った教授に合う必要があります。
このタイミングで、父親がロンドンからキャリーに会いに来ます。
本を借りパクされていることと、関係を持っていたことを知った父は怒り、そいつの家に行くぞ!と息まきます。
家に着くと、ずかずかと教授の家に入って行きます。本を見つけた後、父は教授の鼻をパンチ。家を後にします。
これで残りは「大晦日を誰かと過ごす」だけになりました。
隣の部屋に住んでいると分かった、キャリーが「うるさい!」と叱った男性に会いに行くキャリー。大晦日を共にしようとします。
非常階段でカウントダウンの花火を待つ2人。
男性はキャリーに、「キャリーって略してる?」と聞きます。「キャリーはキャリーよ。」と答えます。
すると「ミドルネームは?」と聞きます。思わずニヤけるキャリーなのでした。
リストの意味が不明瞭
本作の核となる「やることリスト」。
6つのやること、「ペットを飼う」「子供の頃好きだったことをする」「デートに出かける」「友達を作る」「1番お気に入りの本を読む」「誰かと大晦日を過ごす」です。
この選定理由が全く明かされません。社交性がなく引きこもっているので、「友達を作る」とか「大晦日誰かと過ごす」はまあわかります。
「ペットを飼う」とか「1番お気に入りの本を読む」とか「子供の頃好きだったことをする」を選定した理由がわかりません。
案の定、映画内でもこの3つ自体は全くいらないシーンになっています。
お気に入りの本の件では、過去のトラウマとの訣別ができたのでまあ意味はありましたが、「一番お気に入りの本を読む」こと自体で解決したわけではありません。
セラピストがなぜこの6つを選定したのかがテキトーになっていたので、この辺りは丁寧にしてほしかったですね。
そもそもハーバード飛び級の設定が生きてきていない
本作は、主人公に関する情報が多すぎてごちゃごちゃしています。
ハーバード飛び級合格の天才・母親を亡くしている・父親が子持ち女性と再婚予定・学生時代の初H相手へのトラウマ・婚約者持ちとの恋愛などなど。
どの軸で主人公がどう壁を乗り越えようとしているのかがわかりにくく、どの関係性に着眼すればいいのかがごちゃごちゃしています。
正直言って、ハーバード飛び級という設定は全く生きてきていません。無理やり取ってつけたような設定ですね。
「頭のいい女性」=「コミュニケーションが取れない変人」というステレオタイプを雑に押し付けたものです。
「大学時代勉強しかしてなくて恋をしてこなかった」というキャラなのかと思えば、教授と寝ているという設定もあり、結局どんな人物としたいのかが不明瞭です。
ちなみに、この教授から「ペニスをくださいと言ってほしい(推察)」と言われ、拒否したところ捨てられています。これが彼女のトラウマとなっています。
ミドルネームを知ること
本作で、キャリーが「婚約者がいながら恋人募集している男性」とデートした際、友人から「彼が婚約者を愛しているかどうか知りたいのなら、彼がその婚約者のミドルネームを知っているかどうか聞いてみな」と言います。
本当に愛しているなら、ミドルネームを知ってるはずだ。というのです。
実はこれが伏線となっており、ラストシーンで隣の部屋に住んでいる楽器奏者の男性と寄り添って、それぞれの名前について話す際、男性が「ミドルネームはなんていうの?」とキャリーに聞きます。
これでキャリーは、「愛しているならミドルネームを知っているはず」という会話を思いだしてニヤけます。
これは非常に美しくて可愛らしい回収でした。
加えて、「ミドルネームを知ることは好意的」という文化を知ることができました。
誰でもお互いのミドルネームを知っているものなのだと思っていましたが、人によってはお互いのミドルネームを全く知らないまま関係を続ける人もいるのですね。
ミドルネーム文化は日本にはないので、新鮮な情報でした。
まとめ
今回は2018年公開の「マイ・プレシャス・リスト」をレビューしまシタ。
基本的には凡作コメディといった感じで、特筆するほど高評価ではないものの、普通に見れる作品ではありました。
が、日本的というかなんというか。ティーン向けかもしれません。
設定はどうあれ、結局白人イケメンと白人美女の恋愛をみさせられるだけって感じです。
なんとなく流してみるくらいでいいかもしれません。
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