わざとつまらなく作ったのか…レベル
今回は2021年公開のネトフリオリジナル作品「闇はささやく」をレビュー。
筆者評価は★2.0
主演:アマンダ・サイフリッド
監督:シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ
一応、霊や血などが登場するので、ホラーにあたるジャンルかとは思いますが、ジャンルが何なのかもわからなくなるような、謎映画。
B級なのは間違いないですが、他のB級と比べても主題や設定の訳のわからなさや、物語の本筋に関係のないようなミスリードや、退屈な会話劇など、なかなか救いようのない作品でした。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
画家のキャサリンと、大学教授のジョージ、娘のフラニーは、ジョージの仕事の都合で田舎町に引っ越してきました。
田舎に建っている古い邸宅を買った一家は、リノベーションをして住むことに。
しかし怪奇現象が次々起きます。
キャサリンは色々と家のことについて調べていきます。
するとそこでは大量の人々が死んできていたことがわかります。
そのうち、うっすら霊が見えるようになります。しかしその例は、この家で傲慢な夫に殺された悲しき妻の霊でした。
キャサリンは、ジョージのことをよく思っていなかったので、霊を怖いと思うことはありませんでした。
一方ジョージは、大学の学部長から、「教授推薦状の偽装」をしたことを強く咎められ、学部長を殺害してしまいます。
ジョージはジョージで、家で「傲慢な夫」の霊の声を聞いていました。
やがてジョージは、娘を連れて自分から離れようとする妻を殺害することにします。
逃げるキャサリンですが、毒を盛られてしまい、殺されてしまいます。
数日後、犯罪がバレそうになったジョージはボートで逃走しようとしますが、海に渦ができキャサリンの「地獄堕ち。地獄堕ち。」という声とともに消えていくのでした。
ストレス過多な終わり方
クズな夫、怪奇現象、悲しき妻たち、子育て。
何から何まで回収されないある意味「最悪」のラストを迎えてしまいます。
設定自体は、「霊が出るが、その霊は自分の味方をしてくれている」といういい設定なのにも関わらず、この設定が忘れ去られてしまったかのように、あっさりとキャサリンは殺害されてしまいます。
そしてジョージを、霊と協力して地獄送りにする。これによって生まれる最大の被害者は何も知らないうちに両親を失った、娘フラニーです。
てっきり、「家の霊と協力してジョージの悪を暴き、家についている妻の霊が成仏、この家に付いた負の連鎖を脱却し、フラニーとこの家にもともと住んでいた青年らと暮らしていく…。」という流れになるのかと思っていました。
そしてそっちの方がいい映画になったのに…。と思います。
本作は、「ALL THINGS CEASE TO APPEAR」という小説が元になっているようです。
小説の方は読んだことがありませんが、もし映画と同内容なのであれば、こちらもちょっと高評価は難いですね…。
テーマはなんだったのか?
本作の最も伝えようとしたテーマはなんだったのでしょうか?
死後の世界や、霊的存在を表現したかった?結婚生活の憂い?日常に潜む狂気?男尊女卑?
どれもかすっているようで、芯を捉えきれておらず、なんとも判断がしにくい。
結局はなんだったのでしょうか?
映画序盤から中盤にかけては、夫のクズさともう一つの顔が明らかになっていく様子がよく見てとれたため、「結婚生活の憂い」みたいな方へ進んでいくように思えました。
しかしラストのジョージが地獄堕ちするという結末で、そうでもなかったようです。
無理やり解釈するとすれば「因果応報」がテーマになっているかもしれません。
自分がしてきたクズな行為は、自分に降りかかってくる。みたいな。
かなり無理やりですが…。
ただ、それを際立たせたいのならキャサリンが不倫するシーンを入れるとブレますし、何よりなんの罪もない娘のフラニーが1番かわいそうです。
これに加え、なぜジョージが「人を殺してまで大学教授でいたいのか」が不明瞭。
出来の悪い末っ子として育ってきて…とかバックボーンがあるなら納得ですが、親にも愛されていたようです。
何が彼をそこまで執着させるのかがもっと描かれていてほしかったですね。
アマンダ・セイフライドは年取らない
本作の主役、キャサリンを演じたアマンダ・セイフライド。
2008年公開の「マンマミーア!」で見たのが初めてかなと思うのですが、もうかれこれ14年前の作品。
当時から見た目が変わっていないアマンダは、本作ではより実力派な演技も披露していました。
現在36歳ということで、これからどんどんと母親役などで頭角を表すこと間違いなしですね。
何より、彼女の英語は滑舌がいいので聞きやすい。
本作は脚本が悪かったですが、これからのアマンダに期待です。
まとめ
今回はネトフリオリジナル映画「闇はささやく」をレビューしまシタ。
全体的に盛り上がりにかけ、退屈な雰囲気と陰鬱なストレスがありながら、ラストであらぬ方向へといってしまう、悲しき映画でした。
この映画に関しては、2時間が無駄になるのでお勧めしません。
アマンダファンは見た方がいいと思います。
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