【映画を考える】アカデミー賞から見る映画の今後【コーダ・パワーオブザドッグ】

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配信映画とアカデミー賞

academy award scene with clapper board
Photo by Mirko Fabian on Pexels.com
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今回は、2022年アカデミー賞から見る、映画の今後について考えてみマス。

ウィルスミスのビンタ事件の裏で日本映画「ドライブマイカー」が国際映画賞を受賞するなど

日本にとっても大きな動きが見られまシタ。

参考記事:https://www.jiji.com/jc/v8?id=202204academyishi https://eigaz.net/prediction/2022.php    

2022年アカデミー賞では、Netflixオリジナル作品である「パワー・オブ・ザ・ドッグ」や、配給権をAppleTV +が持っている「コーダ」など、大手IT企業の姿がちらつきました。

これは一体何を意味しているのか。僕たちはこれから、どんな視点を持って映画を評価すればいいのか。

この辺りを少し考えてみます。

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アカデミー賞 結果一覧

部門受賞
作品賞「コーダ あいのうた」
監督賞ジェーン・カンピオン
-「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
主演男優賞ウィル・スミス
-「ドリームプラン」
主演女優賞ジェシカ・チャスティン
-「タミー・フェイの瞳」
助演男優賞トロイ・コッツァー
-「コーダ あいのうた」
助演女優賞アリアナ・デボーズ
-「ウェスト・サイド・ストーリー」
脚本賞「ベルファスト」
脚色賞「コーダ あいのうた」
国際映画賞「ドライブ・マイ・カー」
アニメ賞「ミラベルと魔法だらけの家」
ドキュメンタリー賞「サマー・オブ・ソウル」
衣装デザイン賞「クルエラ」
歌曲賞「007 ノータイム・トゥ・ダイ」」
視覚効果賞「DUNE」
撮影賞「DUNE」
作曲賞「DUNE」
編集賞「DUNE」
美術賞「DUNE」
音響賞「DUNE」
メイク&ヘア賞「タミー・フェイの瞳」

こうみると、ウィル・スミスやドライブマイカー、コーダあたりも注目さることながら、視覚効果賞から音響賞まで6部門受賞している「DUNE」すごいですね。

DUNEは劇場に観に行きましたが、確かに脚本が退屈だった印象でした。世界観や映像の新しさ、デザインなどが優れているなと感じていたので、納得ではありますが、それにしても6部門受賞はすごい。

配信映画の台頭

blackskined man using smart phones and ipads
Photo by Ron Lach on Pexels.com

作品賞を受賞した「コーダ」は、Appleが配給権を買収し、劇場公開と共に「AppleTV +」で配信されている作品です。(ちなみに「AppleTV +」の配信は、日本ではされていません。)

監督賞を受賞した「パワー・オブ・ザ・ドッグ」はNetflixオリジナル作品。アカデミー賞受賞作品に、こうした配信映画が台頭してきている状況は、何を意味しているでしょうか。

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配信だろうが、劇場公開だろうが、内容は変わらないから、関係ないのデハ??

確かに、一見すると違いがないように感じられます。

しかし、スピルバーグ監督は、映画館のスクリーンで見られることを想定されていない以上、アカデミー賞候補とされるのは違うという意見を表明していました。

つまり、画面の大きさや音響環境はもとより、巻き戻しなどの操作可不可、などこれまでのアカデミー賞では均一に揃えられていた条件が大きく変動しているのです。

「ドライブ・マイ・カー」の濱口監督は、配信と劇場公開を対立項として捉えるべきでないと指摘。

配信はより多くの人が見るもの、劇場は集中したい人が見るもの。としており、その両方は共存できるとしています。

netflix on an imac
Photo by cottonbro on Pexels.com

実はここが非常に重要なポイント。「より多くの人が見るもの」。

映画館へ行き、2000円弱を払うというハードルを越える必要がなく、時間の制限もない。

普段その映画に触れなかったであろう客層が、リーチする。

配信映画は、こういった部分を考えて作られるわけです。

あるいは、巻き戻しや繰り返し見られることも想定できるため、超難解な映画にしても大丈夫なわけです。例えば、「本当に楽しむのならば3回見ないといけない映画」みたいなものも作れるわけです。

つまるところ、配信映画と劇場映画では撮り方や脚本作りから一気に変わってきます。

今、コロナによる「映画の転換期」にあるということです。

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コロナ禍の映画売上

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Photo by Paul Volkmer on Pexels.com

コロナ禍で世界的に外出が控えられ、ロックダウン・巣篭もりが進んだ影響により、映画産業は大きな影響を受けました。

米映画協会によると2020年のチケット売上は、前年の2019年のなんと4分の1に激減したといいます。

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これは驚異的な数字デス。

日本でも、映画の席を1席ずつ開けたりという策がとられていまシタ。

そもそも公開時期をずらした作品も多かったですヨネ。

対して、動画配信サービスの登録者は激増しました。

これを受けてアカデミー賞は、2021年・2022年のノミネート作品の条件として、劇場上映を求めないことを決定しました。

そのため、受賞作品にコーダやパワー・オブ・ザ・ドッグが入ってきたわけです

劇場公開を予定して作られる映画と、配信用の映画とで、これだけ売り上げに差が出るということは、配信用の映画の制作費は上がっていき、結果として良い映画が生まれやすい環境ができます。

来年度のアカデミー賞でも、こうした配信向け映画が台頭してくることは確実でしょう。

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カラード・アカデミー

close up of an academy award
Photo by RODNAE Productions on Pexels.com

余談として、今回のアカデミー賞では主演男優賞としてウィル・スミスが受賞しました。

有色人種の俳優が本賞を獲得するのは、2006年のフォレスト・ウィテカー依頼15年ぶり。

ビンタ事件があり、ウィルも追放となってしまいましたが…。アカデミー賞は多くの場合白人俳優が賞を受賞しています。

近年の人種問題への関心の高まりも、アカデミー賞に影響を与えている可能性があります。

日本映画の多数ノミネートの理由も見えてくるかもしれません。

まとめ

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Photo by Pixabay on Pexels.com
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今回は、2022年アカデミー賞の結果から、今後の映画展望について考えまシタ。

ウィル・スミスのビンタ事件に隠れていますが、映画界が今大きな転換期にあることを象徴するアカデミー賞でした。

2023年のアカデミー賞ではさらに配信映画が増えてくる可能性があります。

ネトフリなどで作成する作品は、お金をかけることができるので日本映画にも羽ばたく隙がありそうです。

今年も期待ですね。

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