【現代解釈】「ハンニバル」を考える【ネタバレ感想考察】

movie

羊たちの沈黙の正当(?)な続編

KOX
KOX

今回は、羊たちの沈黙の続編にあたる「ハンニバル」を考えマス。

筆者評価は★3.9

主演:アンソニー・ホプキンス/ジュリアン・ムーア

監督:リドリー・スコット

本作は、1991年公開の「羊たちの沈黙」から10年。2001年に公開された続編映画です。

前作でクラリス役を務めたジョディ・フォスターは続投せず、ジュリアン・ムーアがクラリスを務めました。

正直、ジョディのクラリスが天井を叩きすぎるハマり役だったので、ジュリアンのクラリスに違和感を全く感じずに見ることは難しかったです。

レクターから唯一生き延びた富豪、メイスンという男の存在も、全くいい働きをできていませんでした。

全体的には「普通の映画」に成り下がってしまった感が否めません。

前作、「羊たちの沈黙」についての記事はこちら↓

【無料視聴可能】
本作はU-NEXTにて視聴可能な作品となっています。
U-NEXTでは31日間無料キャンペーン中です。
1契約で4人まで共有できますので、家族や友人と一緒に試してもいいかもしれません。
気になった方は下記バナーをclick!↓

「レクター博士」その人を追う

本作は、前作「羊たちの沈黙」と違い、「凶悪犯をレクターの協力と共に解決する」というスタイルではありません。本作では「脱走したレクター自身を追う」スタイルです。

事件を通しての「クラリスの成長」についても、すでにあれから10年が経っており、映画冒頭でFBIの部隊長として指示を出す側にも回っており、成長は終えているように見えます。

笑顔を見せたり、涙を見せない「鉄仮面」のような女捜査官…という印象を受けます。

登場人物や設定はそのままでも、かなり方向性の違う映画だと言えます。

イタリアの警察や、大富豪メイスンの存在も、全然いらなかったかなと…。

正直リドリー・スコットにガッカリしました。

スポンサーリンク

メイスンはなんだったのか

レクターに異常なまでの執着を見せる、唯一の生存者「メイスン」。

レクターにドラッグを勧められ、ラリって自分で自分の顔をナイフで削ぎ落とした彼。

そもそもなぜレクターが恨まれなくてはいけないのでしょうか。

体を固定されて、レクターに削ぎ落とされた。ならわからないこともありません。しかし、自分でラリって自分でやったんだから、レクターを恨んでもらっても困ります。

というのは置いておいて。なぜレクターは彼を生かしたのでしょうか?

死んだと思ってその場を後にした?いや、レクターはそんな素人のようなことはしません。

そもそも、レクターの犯行スタイルは、殺害→解体→捕食です。

存命中に食べることはありません。(異常事態を除いて)

と、なるとレクターはメイスンを殺す気はなかったことがわかります。

このことから、レクターはメイスンに何か特別な感情を抱いていたことがわかります。作中直接的な表現としてメイスンから「同性愛」と発言があったので、レクターはメイスンに対して恋愛感情に近いものを持っていたことがわかります。

そのメイスンが、自身の「世界」に入れるかどうか。その試練こそが「自身の顔の肉を削ぐ」という行為だったのでしょう。

メイスンは残念ながら、この世界には入門できなかったようです。

その後も、レクターであればメイスンをいつでも殺害できたはずですが、そうしませんでした。

「レクターの命を常に狙っている存在」であり「レクター取り憑かれた苦悩の塊」であるメイスンは、レクターにとっていいおもちゃだったのかもしれません。

スポンサーリンク

クラリスへの愛?

「羊たちの沈黙」の原作小説では、ラストでクラリスとレクター博士は2人で逃げ、愛し合って暮らすそう。

このラストについて、クラリス役を演じたジュリアンから「違うと思う」との意見があったことから変更に。

食人殺人鬼と恋に落ちるほど、クラリスは狂っていないということですね。

とはいえ本作ではラストで、レクターがクラリスにキスをします。押さえつけてのキスですので、不可抗力というやつです。

この隙にレクターはクラリスに手錠をかけられてしまいます。(これも、かなり無理があるんですが。)

レクターは、その場から逃走するため、クラリスの手を包丁で切断することで手錠を外し、その場から逃走しようとします。しかし、レクターが選んだのは「自分の手を切断する」という選択でした。

「片腕切断の大怪我をした男」という特徴が付与されると、逃走が困難になるのはわかりきっていること。そもそも、激痛です。

それでもクラリスを傷つけず、自分の手の方を切断したのは「クラリスへの愛が本物だった」からです。

レクターに「人間的な部分を残した」のは、クラリスの存在が大きく、その重要さをレクターもわかっていたのです。

スポンサーリンク

まとめ

fox sticking it s tongue
Photo by Pixabay on Pexels.com
KOX
KOX

今回は「ハンニバル」を考えまシタ。

現代解釈とは言ったものの、正直そこまでのメッセージ性がなかったので、レビューに近いデス。

前回が良過ぎたこともあって、今回はあまり良くありませんでした。

身の毛もよだつような恐怖、だったり。

ドアを開ける恐怖だったり、常にレクター博士の視線を感じるような恐怖のようなものもありませんでした。

監督が変わるとここまで変わるんだなという印象でした。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました