ゴースト系ラブロマンスの超凡作
今回は2022/2公開のSFロマンス映画「イン・ビトゥイーン」をレビューしマス。
筆者評価は★3.3
主演:ジョーイ・キング
監督:アリー・ポジン
恋人がなくなってしまい、失意の主人公の元に霊がやってくる…系の物語で、特に何の捻りもない王道中の王道を行った本作。
決してそれが悪いということではなく、王道中の王道を楽しむ映画としてはそこそこいいクオリティの映画です。
主演のジョーイ・キングがチャーミングでかわいいです。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
主人公、テッサは恋人スカイラーと事故に遭い、心臓の手術をして一命を取り留めます。しかし、スカイラーは亡くなってしまいます。
事故の182日前、フィルムカメラが趣味の女子高校生テッサは、ある日、街のさびれた映画館へ。
ラブストーリー映画を鑑賞することにします。観客はテッサともう一人の男性だけ。
しかし映画は全編フランス語で、字幕なし。テッサは帰ろうとしますが、もう一人の客の男性、スカイラーが隣にきます。「僕はフランス語わかるから、翻訳するよ」
映画を見終わる頃、テッサは涙を流していました。意気投合した2人ですが、また会えるといいねとその場は別れます。
事故後、非通知から思い出の映画の画像が送られてきたり、車から思い出の曲が流れてきたり、スカイラーの存在を思わせる現象が起きるようになります。
事故の102日前、その後テッサは、ボート部の同級生に、大会の写真撮影の仕事を頼まれます。現場に向かうとスカイラーが。スカイラーは他校のボート部だったのです。
ここから2人は急接近、付き合うようになります。
ある日池のほとりで、スカイラーはテッサに「愛してる」と伝えます。しかし、テッサは人を愛することを怖く思っているので、答えられませんでした。
事故後、自宅の暗室に気配を感じたテッサ。中に入ると、現像機がパシャリと起動します。恐る恐る現像してみると、そこにはスカイラーの手や、横顔が。
これによりスカイラーの存在を確信したテッサは、スカイラーが完全にあの世に旅立ってしまう前に、最後に会うため奔走します。
事故の11日前、その後、大学進学やテッサの写真家への夢などをめぐってケンカに。
事故後、事故現場に行き着いたテッサは、その場で事故当日の記憶を見ます。
スカイラーが大学進学のため街を去る日。テッサは、スカイラーの元へ走ります。
ギリギリ間に合ったテッサは、スカイラーに愛してると伝えます。
そこへ車が突っ込んできてしまい、2人は事故に遭ったのでした。
テッサはスカイラーに再び会いました。
その後テッサは、写真発表会で、スカイラーの写真や自分の写真を出しながら、幽霊を自分の一部として受け入れることが重要である。と述べるのでした。
捻りの一切ないストーリー
本作の魅力でもあり、マイナスポイントでもあるのは
「全く捻りのないストーリー」デス。
愛し合った男女に突然の死…、からの存在を感じるような現象…もう一度会話し、さようならを伝える…。という全く捻りのないストーリーです。
過去パートと現在パートを交互に入れ替えていく構成にはなっているものの、なぜ事故に遭ったかという点も超シンプル交通事故だったので、面白みはないです。
過去パートでは映像の色彩豊かで、現在パートでは薄暗くしている点で主人公テッサの心情の変化を描きたかったのでしょうが、あまり効果的ではなかったかなという印象ですね。
展開自体もベタ。
映画館で観客が2人だけ、フランス語の字幕なし映画が流れてしまう、隣に男が座ってきて耳元で3時間翻訳する…。いかにも映画だなあという展開からのスタートですね。
とにかく、ストーリー・展開・設定どれをとっても薄いとは思います。
アメリカにおける「I love you」の重み
日本では、「愛している」という言葉は、「好き」という言葉と近く、そこまでの差を設けられるわけではないように思われます。
本作でテッサは、愛しているとスカイラーに伝えることを躊躇していました。
多くの洋画で、I love youを伝えることにはハードルを感じさせるシーンが多いです。
これは、アメリカにおいて「I love you」が非常に重みのある言葉だからです。
結婚相手や家族のような、本当に自分に近しい存在に対してのみ放つ言葉なのです。
ゆえに、この言葉を放つには相応の責任と覚悟が必要となるのです。
ジョーイ・キングが可愛い
本作主演のジョーイ・キング。
1999年生まれで、「ホワイトハウス・ダウン」や「キスから始まる物語」に出演。
役作りのために丸刈りにするなど、ストイックさも滲む女優さんです。
まだまだ若く、主演作品は少ないのでこれからの活躍に期待です。
本作を最後まで見れたのはジョーイ・キングが主演だったからというところが大きいかもしれません。
今年公開予定のブラッド・ピット主演映画「ブレット・トレイン」にも出演予定とのことで、注目ですね。
まとめ
今回は「イン・ビトゥイーン」をレビューしまシタ。
「愛は不滅」というワードが映画のキーワードになっていました。
キーワード自体がそもそもベタではあるので、映画全体もベタな展開です。
グロい描写やエロい描写がないですし、クスリをやるシーンもないので、ティーンエイジャー向け映画なのかもしれませんね。
かつ、ガール向けかもしれません。
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