【映画考察】「運命のイタズラ」正直、退屈【ネタバレ感想】

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邦題と内容が全く合ってないクライム映画

今回は、2022/3公開したてのNetflix映画「Windfall」を考察します。

監督は「ザ・ディスカバリー」などのチャーリー・マクダウェル。

主演3人は、金持ち役に「ザ・ディスカバリー」「パワー・オブ・ザ・ドッグ」「宇宙船カリスター号」のジェシー・プレモンス。

その妻役に「エミリーパリへ行く」のリリー・コリンズ。

強盗役に「ザ・ディスカバリー」のジェイソンシーゲル。

お気づきかもしれないが、上記4名のうち3名は「ザ・ディスカバリー」で共演をしている。

かつ、それぞれの俳優が他の映画などで共演しており

極め付けには、監督であるチャーリーと妻役のリリーは、2020年秋に結婚している。

2019年に交際を開始して、1年ほどで結婚。

トーク番組で「なぜこれまで出会えなかったのか不思議だよ」と語っていました。(やかましい!w)

邦題の「運命のイタズラ」は、恒例の最低の邦題の付け方。

ラブコメか何かのような題名ですが、内容は金持ちの別荘に強盗に入る話。そういった内容を期待するのであれば、見ない方がいいです。

ざっくりあらすじ(ネタバレ感想)

豪邸で悠々過ごす男。この豪邸はどこかの金持ちの別荘で、家主がいない間にこの豪邸に忍び込んだ強盗です。

すると家主の金持ち夫婦が帰ってきてしまい、バレてしまいます。

妻を人質に取り、二人を支配下に置く強盗。金持ち夫婦2人は特に焦る様子もなく、「金ならいくらでもやるからもうどっかに行ってくれ」と煙たがります。

強盗は、人生をやり直すため15万ドル(1,700万円くらい)をよこせと言います。

すると金持ちは嘲笑。「そんだけ?」「人生をやり直すのならもっと必要でしょ。とりあえず倍の30万ドルにすれば?」

強盗は二人の金銭感覚に驚きながらも、激怒。「だったらその10倍の300万ドル(3億4,000万)よこせよ。」

すると金持ちはまた嘲笑。「別にあげても全然いいけど、現実を考えろよ。一晩に3億4,000万下ろすってなったら、足がつくんだぜ」

「ならなんでもいいからできるだけくれ!」と強盗。50万ドルで手を打つことに。しかし50万ドルを引き出すのにも、丸1日はかかります。

3人は、この金が届くまで共に過ごすことに。

その中で、金目当てで金持ちと結婚した妻の気持ちや、子供が欲しい金持ちの気持ち、そして強盗が強盗に踏み切った動機などが語られます。

途中庭師の男性が別荘を訪れ、隙を見て金持ち夫がこの男性に「通報してくれ」と紙に書いて渡しますが、これが失敗。

庭師の男も部屋で待つことになりますが、強盗が金持ちと口論した際に威嚇射撃をしたことをきっかけに取り乱し、ガラス扉に激突。ガラスの破片が喉に刺さり死んでしまいます。

その後夜に金が届きますが、割れた破片を利用した妻が足を縛られていたロープを切り、置いてあった彫刻で強盗を撲◯。

「おい〜もしかして本当に◯しちゃったのか〜?ベイビ〜」金持ち男が笑いながら言って、終わりです。

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原題「wind fall」の意味

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Photo by Anna Shvets on Pexels.com

本作の原題である「wind fall」とは、和訳すると「棚からぼたもち」という意味。

思いがけない幸福みたいなことですね。

何をどう間違って「運命のイタズラ」になるんでしょうか…。

この、「棚からぼたもち」、だれにとっての幸福だったのでしょうか?

金持ちは、自分の別荘にいきなり強盗に入られ、金を取られます。最終的には、実は妻は自分の子供を欲していないということが明るみになるくらいなので、何も幸福ではないでしょう。このことから、棚ぼたは金持ちのものではないことがわかります。

強盗はどうでしょうか。

そもそもちょっと豪邸で金持ち気分を味わいたかったところに家主が帰ってきてしまい、しかも金を持って逃げようとしたところを妻に◯されてしまいますから、強盗も幸福ではなかったことがわかります。

と、いうことは「棚ぼたは妻のもの」だとわかります。

この妻にとって、愛していない夫との生活を断つきっかけとして、「強盗が入った」ことが棚からぼたもちだったということだと考察できます。

自身の学生ローン返済のため、裕福な暮らしをするため、お金のために結婚した夫との生活・妊活。これに辟易していたところへの突然の強盗だったのですね。

強盗側が主導権を握れない

映画を通して、基本的にテンパってるのは強盗側。

強盗に入られた側の夫婦はいやに落ち着いており、焦る様子はほとんど見せません。

唯一見せたのは、誰も予期していなかった庭師の死亡時くらいのものでした。

金銭を要求するシーンでも、金持ちは基本的に強盗側をバカにする姿勢をとっており、強盗側は馬鹿にされていることがわかっても、金持ちの言っていることが正しいので何も言い返せません。

強盗が「こうしろ!」と言ったことに対して、「いや、こうしたほうがいいだろ。よく考えろよ」と反論。強盗側がそれを飲むという、特殊な体勢が映画全体を通して存在しています。

金持ち、そんなに悪いか?

本作で最も悪い存在として描かれているのは、なぜか金持ち。

いや、確かに言い方がキツかったり、皮肉っぽい「ウザい」話し方したりはしてましたよ。

ただ、「お前は卑劣な奴だ!」と強盗から言い放たれる。なんでやねん。

この金持ち、強盗が銃を持った時に「銃口を向けるなら(妻ではなく)俺に向けろ」と何回か言ったり、自分よりも妻を大切にしている様子も見られました。

なのに、妻は金目当てで、避妊のピルをこっそり飲んでいたり。強盗に入られたのに「卑劣な奴だ
!」と言われたり。可哀想すぎる。

人身売買とかで財を成した人物なら言われても仕方ないですが、普通に会社を成功させただけ。

なんでこんな言われなあかんねん!

もしこれが、現代への皮肉をしているとするなら、SNS等による成功者への悪口などにあたるのでしょうか?(ちょっとわかりにくいですが)

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ラストシーンの意味

semi open white wooden door
Photo by Jonathan Petersson on Pexels.com

ラスト、金を受け取って去ろうとする強盗を、妻が撲◯します。

金持ちが「やっちゃったのか〜い」とちょけて終わるのですが、この終わり方はどういった意味なのでしょうか。

ちなみに、強盗は、靴紐を直しているところで殴られてしまうのですが、作中数回靴紐を直す描写がありました。どうでもいい伏線回収ですね。

あのあと金持ちも撲◯していたら、なんとなく映画は締まる気がするのですが、これでは結局夫に屈する側を選んだのか、自分一人で生きることを選んだのか、わからないまま終わってしまいます。

もしくは、自身が犯罪者となることで、自身と夫に距離を空ける(牢屋に行くか何かして)ことが目的だったのかもしれません。

まとめ

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Photo by Funny Foxy Pride on Pexels.com

今回は、ネトフリで公開したての映画「運命のイタズラ」を考察しました。

ここまでしっかり考察しましたが、基本的に面白くなかったです

心情変化などで楽しむタイプの映画かとは思いますが、どのシーンもざく切りの心情変化となっていて、特にグラデーションがなく、入りにくかったです。

テンポも悪いので、眠くなるような感覚。スリラー映画ならもう少し抑揚が欲しかったですね。

★2.8くらいです。

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