シリーズ1作目としては良作
ついに公開になった、ロバート・パティンソン版新生バットマン映画「THE BATMAN」を早速鑑賞してきました。
今回はこのロバート・パティンソン版バットマンについて、今後の展望も交えて考察したいと思います。
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ざっくりあらすじ(ネタバレ)
幼くして父と母を失った、富豪ブルース・ウェイン。彼の裏の顔は、毎夜夜で犯罪者をボコボコにするバットマン。
彼の住むゴッサムシティは、犯罪と汚職に塗れて腐りきっています。
ある日、ゴッサムシティ市長が何者かに◯害されます。犯人は現場になぞなぞを残していきます。遺体の口にはガムテープが貼られ、「NO MORE LIES」嘘はもうやめろ。の文字。
その後も次々と汚職にまみれた警察や検察が狙われ、バットマンとゴードン刑事は真実に近づいていきます。
道中、凄腕の窃盗犯「セリーナ(キャットウーマン)」とも協力。
彼女の父であり、裏社会のボス「ファルコーネ」がブルースの両親を◯害したことがわかりますが、確保したところでリドラーに狙撃されてしまい、ファルコーネは死んでしまいます。
リドラーを追い、確保。しかしこれもリドラーの計画のうちでした。リドラーの正体は、孤児院のリーダー。孤児院の他のメンバーと共に計画を進めていました。
外では川周辺で複数爆発が起こり、街は洪水に。これによって市長選演説会場に人を集め、大量虐◯をしようという計画だったのです。
バットマンは現場に急行。偽リドラーたちを全員倒していきます。その後街は復興へと向かい、バットマンも手伝い。
セリーナは別の街へ行くといい、別れを告げます。
その後アーカム精神監獄で逮捕されているリドラーは、悲しみに暮れます。「バットマンは友達だと思っていたのに、裏切られた…。」
すると隣の部屋から話しかけてくる男が。「ピエロみたいだよなあ」「復活した方が、街は喜ぶぜ」「お前に必要なのは俺のような友達だよ」「HAHAHAHAHA〜!」
で、映画は終わりです。
ブルースの病み具合が最高
本作を通して高評価だったのは、ブルースの病み具合・闇具合です。
本作3時間の超長尺ですが、3時間1回も、ブルースは笑いませんでした。ずっと悲しい顔か怒っている顔をしていて、精神的にかなりギリギリ、ボロボロでやつれている印象がありました。
クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」では、ブルースは社交的でにこやか。
この点だけで言えば、僕は本作「THE BATMAN」のブルースの方が暗く、暴力的で好きでした。
犯罪者を怒りに任せてボコボコに殴る姿こそ、歪んだ正義の象徴「バットマン」の姿に相応しいでしょう。
ゾーイ・クラヴィッツが最高
もう1点、高評価をつけられるのはゾーイ・クラヴィッツのキャットウーマン。
かなり魅力的でした。演技も非常によく、泣いた時の目の周りがマスカラで黒くなるとブルースの姿と重なる部分がありました。
キャットウーマンも全体を通してあまり笑っておらず(嘘笑いはしていた)、こちらも精神的に過酷な状態にあることが伺えました。
アクションもかなり良く、今後のシリーズにも是非是非登場してほしいと思います。
キック・アスのヒットガール並みの魅力があるヒロインでした。
キス”しない”シーン
事件解決後、最後にブルースとセリーナが会話をするシーン。
セリーナは裕福な家庭に育った「ブルース・ウェイン」をよく思っていません。
セリーナはバットマンの正体がブルース・ウェインであることを知りません。
しかしセリーナは、自分と似ているバットマンに対して好意があります。
最後一瞬だけブルースはセリーナに顔を近づけますが、キスをしませんでした。
これは
- マスクをしているバットマンに対してセリーナは心を許しているだけで、マスクの下ブルース・ウェイン」は嫌っているだろう。という思い
- 誰かに心を許すということへの戸惑い
- 大切な存在を増やしたくない
という感情が動いたためと考えられます。
この複雑な感情を見ている側に感じさせる1秒の演技には脱帽です。
単調でダラダラと長い
ここからは少し気になった点です。
本作の構成は、事件発生→リドラーからのヒント→バットマンがヒントを受けて行動→事件発生
というセットが3〜4セット行われるようになっています。
そして上映時間はなんと3時間。非常に長いです。
この、事件発生→リドラーからのヒント→バットマンがヒントを受けて行動→事件発生
という流れがほぼ同じ程度の盛り上がりを3〜4回繰り返されるので、単調に感じてしまい、長かったです。
「バットマンがヒントを受けて行動」フェーズでは、基本的に犯罪者がいるところに行ってぶん殴るだけ。そこが現実的でいいにしても、同じことの繰り返しでした。
リドラーの正体が「誰やねん」
リドラーは映画冒頭からずっと覆面をしており、手がかりを残していきます。
一体リドラーは誰なのか?これがずっと映画の間引っ張られていきます。
僕はおそらく、ずっと出てきている周辺人物であろうと推理していました。例えば一緒に捜査をしている警察の中の誰か、とか。
そしたらなんと、普通にリドラーが登場。1回もそれまで出てきてない謎の男。
脳内で千鳥ノブの「だれぇ〜〜〜〜」が再生されました。誰かではあって欲しかったという。
ずっと出てきていた名前の「マローニ」とか。
しかも登場の仕方も、ずっと出してきていたなぞなぞの答えから導き出して…とかでもなく、なんか部屋から狙撃したから居場所がバレて確保という。
ちょっとこの辺りのリドラーの正体と、それを明かすシーンあたりは「なんでぇ」でした。
次回作のヴィランは「ジョーカー」
最後の刑務所でリドラーに話しかけてきた男の髪型、声、話の内容からして、この男は「ジョーカー」である可能性がほぼ確定です。
このことから次回作のヴィランはジョーカーだと考えられます。
リドラーと手を組むというような発言がありましたので、リドラーも登場することはほぼ間違いないでしょう。
クリストファーノーラン監督のバットマンシリーズでも2作目のヴィランがジョーカーでした。
ヒース・レジャーのジョーカーを超えるジョーカーは今後出るのは難しいと思っていますが、次回作のジョーカーは誰が演じるのか楽しみです。
シリーズ1作目としては上々
色々と言いましたが、「THE BATMAN」はこういう映画ですよ。この映画のブルースはこういうキャラクターですよ。バットマンはこんなキャラクターですよ。という説明をするという意味では良作だったかと思います。
歴代最高傑作の「ダークナイト」も、2作目。1作目に当たる「バットマンビギンズ」はそこまで騒がれてません。
最も大切なのは2作目なのです。しかもヴィランはジョーカー。
まだまだ今後の展開も楽しみです。
まとめ
今回は3/11公開したての「THE BATMAN」についての考察でした。
評価は突出していいというわけではありませんが、全体的な世界観・キャラクターなどとても良かったと思います。
キャットウーマンが一番好きだったので、今後も是非出てきてほしいです。
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