相変わらずの”エセジャパン”とブラピという逸材
今回は2022年9月1日に公開になった、ブラピ主演最新作「ブレットトレイン」をレビューしマス。
筆者評価:★3.9
主演:ブラット・ピット
監督:デヴィット・リーチ
原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」
公開後すぐの土曜日に観にいきましたが、席は満席で客の入りは上々でした。
トムホの「カオス・ウォーキング」を観にいった時は公開直後にも関わらず全然人がいなかったので、今作への期待は高いのかなという印象ですね。
「多分エセジャパンで繰り広げられるB級映画なんだろうな」と思っていたところ、”期待通り”のB級映画でした。
決して悪い意味ではなく、楽しく爽やかに観られる映画という感じで、最後まで飽きずに見れましたし、続編があれば見にいきたいなと思えるレベルでした。
ちなみに、原作の「マリアビートル」は読んでいません。聞くところによると、ファンからは「これは違う!」とのコメントが多いようですね。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
カーバーという殺し屋が「腹痛」のため、代役を頼まれた殺し屋「レディバグ」。
幸運のてんとう虫という名前とは裏腹に、いつも悪運を呼び寄せる彼は、日本で「東京ー京都」間の新幹線内にあるアタッシュケースの回収に来ました。
簡単にアタッシュケースを見つけることができた彼は、早速品川で降りようとします。
その頃アタッシュケースの持ち主である別の殺し屋「レモン」と「ミカン」の2人は、何者かにこれが盗まれたことを察知します。
彼らの任務は、アタッシュケースの運搬と伝説の殺し屋「白い死神」の息子を京都まで護衛することでした。
品川で降りようとするレディバグの前に、メキシコ系の殺し屋「ウルフ」が襲い掛かります。
彼は最愛の妻を毒殺されており、その無念を晴らすために乗り込んできていました。
レディバグをその仇と信じているようですが、レディバグには身に覚えがありません。揉み合っているうちにウルフを殺害してしまいます。
その頃、レモンとミカンは2人でケースの捜索に。自席に帰ってくると、護衛対象である「白い死神」の息子が目や鼻から血を出して死んでいました。
ケースと息子を失った2人は焦ります。
その頃、別の車両では少女の殺し屋「プリンス」が、日本人の殺し屋「キムラ」をスタンガンで気絶させていました。
キムラは白い死神とつながりがありました。
プリンスは白い死神に接触するため、キムラの息子をビルの屋上から突き落とし、「自分がやった」と連絡して誘き寄せていました。
ウルフのせいで品川で降りれなかったレディバグは、仕方なく横浜まで我慢。
しかしそこで、レモンの姿を発見。レディバグは以前、レモンに2回撃たれた経験がありました。
彼と接触したレディバグ。2人は戦うことになりますが、レディバグがレモンを気絶させて勝利します。
置いてあったペットボトルの水に睡眠薬をたっぷり入れてその場を去ったレディバグ。
また降りれませんでした。
社内ではそれぞれの殺し屋たちの思惑が渦巻き、レディバグは意図せず巻き込まれていきます。
悪運によって京都まで降りることができないレディバグ。
京都駅では、白い死神が待っています。
実は白い死神の狙いは、自分の妻が事故死してしまう理由となった殺し屋を一挙に集めて根絶やしにすることでした。
その最大の標的は、妻を殺したその張本人「カーバー」だと言います。
レディバグは、「俺はカーバーの代役だから関係ない!」と主張しますが、聞き入れてはくれません。
レディバグはレモンと、キムラ、そしてキムラの父で白い死神の宿敵である「長老」と共に白い死神と戦います。
列車が脱線し、京都の街並みの中に突っ込んだ新幹線。
白い死神は、彼の娘である「プリンス」が爆弾を仕込んだ銃を使ってしまい、死亡。
そこへ現れたプリンスをレモンが轢き殺します。
何とか生き残ったレディバグ。彼は本当に幸運なのか、悪運なのか。
京都の街を後にするのでした。
日本であって日本でない
日本が舞台ではありますが、その内容は全く日本ではありません。
こんなネオンで近未来な内容の新幹線見たことないですよね。笑
そして日本人殺し屋役の「キムラ」ですが、彼は日本語が話せてません。おそらく日系アメリカ人でしょう。
「オヤジ、ナデ、ココニ…!」みたいな日本語です。
監督のデヴィット・リーチは「ジョンウィック3」でも日本文化を登場させていましたが、これも似て非なるものでした。
彼の中の「日本」とは一体何なのか…。
ちなみに、そのほかの日本人としては「マシオカ」や「福原かれん」が出ていましたね。
マシオカはドラマ「HEROES」の「やったー!」のシーンが有名な俳優です。
乗務員役で出てきた福原かれんはアマプラのドラマ「THE BOYS」で超能力を持った女性「キミコ」役や、「スーサイド・スクアッド」の「カタナ」役が有名です。
Youtubeもやられています。↓スターライト(エレン・モリアーティ)とのお話動画
コメディックでサクサク進む
全体を通してそれぞれのキャラクターがしっかり立っているので、非常に見やすい映画となっています。
映画に常に流れているのは「コメディック」な雰囲気。
殺し合いをしているのに、「社内ではお静かに」を守ろうとしたり、冗談を言い合ったり、機関車トーマスの話をし出したり。
クスッと笑えるような小ボケを散らしています。
これに加えてサクサクと物事が進んでいくので、処理がしやすい「わかりやすい映画」です。
一応、伏線となるような「謎」が残ったまま映画は進みますが、キャラクターを楽しむ映画なのでその辺はどうでもいいかもしれません。
この部分が「マリアビートル」原作ファンからすれば納得いかないのでしょうね。
天才的な「ライアン・レイノルズ」の使い方
本作、実はライアンレイノルズが出演しています。
「え?予告とかポスターにいないのに?」と思うかもしれません。
実はサプライズで出演しているんです。
その出演時間、およそ2秒。笑
そして僕はこの2秒のライアンレイノルズの使い方が、本当に天才的だと思いました。
そしてこの映画のジャンルは何なのかを決定づける2秒です。
この映画は「コメディ」ですよ!というメッセージですね。
実は、カーバーという「腹痛」を理由に今回の仕事を断った殺し屋役としてサプライズ出演。
レディバグはカーバーのせいで白い死神と戦う羽目になるわけですが、その真実を知った際の2秒間だけ「カーバー」という文字とともにライアンレイノルズがドン!と登場。
セリフも一切なし。
役柄と顔だけで笑いを取れる彼は、現代を代表するコメディ俳優なのかもしれません。
やっぱり「ブラピ」ゲー
本作は何よりも「キャラクター」の魅力で持っている映画。
そしてその主役であるレディバグを演じるブラピの魅力にめちゃくちゃ依存している映画だと思います。
白いバケハに黒縁メガネという、殺し屋とは思えないキュートな見た目に、飄々とした態度で話すキャラクターが強い。
ブラピファンとして観に行った僕からすれば、このレディバグというキャラクターはとても気にいってしまいました。
まとめ
今回は「ブレットトレイン」をレビューしまシタ。
内容はコメディで、エロシーンもほとんどないのですが、血を噴き出したりするシーンがあるのでお子さんには向かないかもしれません。
オープニングで流れたビージーズの「Stay’n alive」の日本語版を歌っているのは女王蜂のアブちゃん。
圧倒的な歌唱力が海外にも知れ渡りそうです。
このほかにも、坂本九の「上をむいて歩こう」など、海外でも「SUKIYAKI」として知られている日本の曲がかかったりと、日本語の登場頻度は高かったです。
まだ観ていない方で、ブラピの可愛い姿が見たい方は行って観てください。
コメント