超傑作!に見せかけた凡作
今回は1997年公開の映画「ゲーム」をレビューしマス。
筆者評価は★3.8
主演:マイケル・ダグラス
監督:デヴィッド・フィンチャー
セブンやファイト・クラブなどで知られる、鬼才(?)デヴィッド・フィンチャー監督による映画「ゲーム」。
内容としては傲慢なリッチマンが命をかけた「ゲーム」に参加させられるというような方向性の映画。
これに+どんでん返しが複数回という感じで、スピード感あふれるエンターティメント映画になっています。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
投資銀行経営者のニコラスは48歳の誕生日、落ちこぼれの弟コンラッドからCRSという会社の「ゲームの招待状」を受け取ります。
CRS社で精神・身体のテストを受け「ゲームの参加資格合否」を調べます。
結果は「不合格」。
帰宅の途に着くと、家の前にピエロの人形が捨ててありました。
ピエロの人形を家に入れた後、ニュースを見ていると、アナウンサーの男が「ニコライのせいで…」などと話し始めます。
最初は聞き間違いかと思いましたが「君を見ている」などと言い出し、ニコライは何かただならぬことが起きていると考えます。
「何者」かは、ピエロの目に小型カメラを仕込んでいました。
その後も行く先々で奇妙なことが起こり続けます。
タクシーに閉じ込められたまま海に落とされるとか、命の危険も感じるようになったニコライは、警察に相談しますが、CRSがあった場所はもぬけの殻でした。
その後、ニコライは仲間だと思っていた女性に薬を盛られ、目を覚ますとメキシコの墓地でした。
復讐を決意したニコライは、CRSの連中がいると思われるビルへ、自分の家に隠しておいた銃を持って突撃。
そこには身に覚えのある顔ぶれが揃っていました。
薬を盛ってきた女性もそこにいたため、彼女を人質にとってビルの屋上へ。
女性は「その銃はどこで手に入れたの?」と動揺しながら聞きます。
ニコライは、お前らの知らないこともあるようだなと返します。
すると女性は必死に「これは全部ゲームなの!ガラスとか銃の弾とかも全部撮影用の安全なものなのよ!タクシーの時だって、万が一に備えてダイバーが準備してたわ!」と言い
無線で「彼は本物の銃を持ってる!危険よ!」と繰り返します。
屋上のドアが開き、そこから出てきたのは白いタキシードを着た「誕生日おめでとう〜!」という弟と、CRSのメンバーでした。
しかし、ニコライは反射で撃ってしまいます。
本当にドッキリだったのに、弟を殺してしまったという後悔から、ビルの屋上から身を投げるニコライ。
しかし、落ちた先にはパーティー会場が用意されており、マットが用意されていました。
なんとここまで計算された「ドッキリ」だったのです。
弟は生きていました。
「目を覚まして欲しかったんだ」という弟。
ニコライは弟とハグをして、パーティーを楽しみました。
ニコライはその後、あの女性のそばへ。「本名を教えてくれ。そしてよかったらディナーでも行こう」と誘うのでした。
テンポ感とコロコロ変わる状況が楽しい
次から次へと、不可解な事が起き、それに加えて信頼していた人が次から次へと「敵側」とわかっていくので、加速度的に状況が悪くなっていきます。
明らかに「クライマックスに向けて走っている」とわかる、ジェットコースター的な映画。
デヴィッド・フィンチャーはセブンやゴーンガールなどからもわかる通り、加速度的に物語の状況を悪くしていくのが上手いですね。
そして観客のフラストレーションが溜まったところで、カタストロフィをくれます。
尺も2時間とちょうど良い長さで、見ていて飽きないという点では、高評価かと思います。
「無理がある」!
「全部ドッキリですやんか〜」が映画の全てなわけですが、「無理がある」これに尽きます。
ドッキリだろうがなんだろうが、車に閉じ込めた状態で海に突き落とせば、警察が動きます。
信号無視やスピード違反もものすごい数していますし、睡眠薬を盛るのも、どう考えても法律違反。
おそらく映画としては「最初の契約書に契約したじゃん!」ということだとは思いますが、それにしても無理があります。
カーチェイスや、銃を持った男がうろつくのは、一般の人にかなりの迷惑をかける「テロ行為」。
ここの設定が無理がありすぎて入り込めませんでした。
「世にも奇妙な物語」
本作を見ていて、まず思い出されたのは2011年5月に放送された、世にも奇妙な物語「ドッキリチューブ」。
おそらく「ドッキリチューブ」は、この「ゲーム」に影響を受けているように思います。
「ドッキリチューブ」も、明らかに一線を超えた「仕掛け」が降りかかってくるもの。
轢かれそうになったり、上から鉄骨が降り注いできたり、落とし穴に落とされた後土を流されたり。
「ドッキリチューブ」の方は、刺激的なドッキリをYouTubeで垂れ流すことによって再生数を稼ぐビジネスとして成り立っています。
そのビジネスの社長が、最終的に最も過酷なドッキリのターゲットになるというもの。
現代の「視聴回数至上主義」と「因果応報」をうまく混ぜ合わせた良作。
ということで、世にも奇妙な物語の方が数枚うわてなのではないかと思います。
逆に言えば、本作はネトフリや民放でやるオムニバス形式の「1本50分」くらいの内容なわけです。
まとめ
今回は「ゲーム」をレビューしまシタ。
ネトフリで日本の映画人気ランキング上位に食い込んできていたので見てみました。
どうやら日本人は「デスゲーム系」が好きなようですね。
デスゲームとはまた違うのですが、日常が非日常と混ざっていき、命の危険を感じる感じの映画が好きなようです。
コメント