【映画レビュー】「テッド・バンディ」【ネタバレ感想考察】

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実際の発言や事実関係をうまく繋ぎ合わせた良作

KOX
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今回は2019年公開のクライム映画「テッド・バンディ」をレビューしマス。

筆者評価は★4.1

主演:ザック・エフロン/リリー・コリンズ

監督:ジョー・バーリンジャー

アメリカ犯罪史上最大のシリアルキラー、「テッド・バンディ」を史実を基に描いた本作。

テッドの恋人となりながら殺害されなかったシングルマザーの「リズ」の視点から、テッドの本質に迫ります。

本作視聴前にNetflixのドキュメンタリーシリーズ「殺人鬼との対談 テッド・バンディ」を観ておくことをオススメします!

テッド役を務めたのは「グレイテスト・ショーマン」に出演していたザック・エフロン。

テッドの恋人リズ役を務めたのは「エミリーパリへ行く」のリリー・コリンズ。

甘いルックスで女性を誘っては30人以上殺害していったというテッド役を務めるには、ザック・エフロンはかなりのハマり役です。

作品の構成も、単にテッドの犯行と逃亡をつらつらと描くのではなく、あえてはっきりと犯行現場を描かないことで、「本当にテッドはやっていないんじゃないか?」と思うような作りになっているのが面白いです。

ざっくりあらすじ(ネタバレ)

旦那との失恋間も無く、友人とバーで飲んでいるシングルマザー「リズ」。

そんな彼女の元に、イケメンの男性「テッド」が話しかけてきます。

2人は意気投合、リズは家にテッドを招き入れます。

疲れたとのことで特に何もなく眠りに入るリズ。目を覚ますと娘のモリーの姿がありません。

焦るリズですが、モリーはキッチンでテッドと共にいました。テッドは朝ご飯を用意し、モリーの世話もしてくれていたのです。

ここからリズはテッドとの交際を始めます。

しかし、テッドが信号無視で逮捕されたことをきっかけに事態は急変。

コロラドやユタ、シアトルなど様々な土地での「誘拐や殺人、強姦」の罪がかけられていきます。

心優しく、何度も愛し合ったテッドがそんなことをするはずはない。そう思いながらも、事態はどんどん悪くなっていきます。

獄中のテッドは、何度も「僕は絶対にやっていない。もしこれが終わったら結婚して、幸せに暮らそう」と話します。

10年以上にわたる裁判の末、テッドの死刑執行が近づきます。

執行直前のテッドに会いにいったリズは、実は新聞に書いてある似顔絵をもとにテッドが怪しいと思い、テッドのことを警察にリークしたことを明かします。

そして、警察から受け取った「頭部のない遺体」の写真をテッドに突き出し、「彼女の頭に、一体何をしたの?あなたがやったんでしょう」と伝えます。

するとテッドは、「君だけには、信じて欲しかったのに。」と呟きながら、面会室のガラスに指で「弓ノコギリ」と書くのでした。

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本当に冤罪を被っているかのような進行

覚えのない罪で、警察にはめられていく青年。のようなストーリー進行で、見ているこちらも「本当に冤罪で罪を被され続けている」というふうに見えてきます。

警察の調査では見えてこない面や裁判では見えない面、リズとのやり取りや図書館での勉強シーンなどで、本当にただの「善人」と言った雰囲気があります。

「それでも僕はやってない」的な裁判の進行で、何を言ってもデタラメな証拠を警察から提出され、有罪を免れることができない。

死刑を免れたいのなら、罪を認めることで司法取引をし、無期懲役に服すしかない。

しかし、「僕はそれでも無罪を主張します!だってやってないんだから!」

ここまで映画で描いておきながら、最後「弓ノコギリ」と壁に書いたことで、結局「30人以上を殺害し、レイプした悪魔」だったことがわかるのです。

テッドの味方をした人々、母親や恋人、友人などは世間から責められることがしばしばありますが、この映画を見れば観客の多くがテッドを信じてしまうかも知れません。

それだけの残忍な犯罪をしていながら、心の底から「無罪」を主張できるテッドは、やはり常人ではありません。

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オナガザメは何を表している?

リズの娘モリーが描いた「オナガザメ」の絵。モリーは「オナガザメは体と尻尾の大きさが同じなんだよ」と話します。

テッドはこの絵を大切にもち、眺めます。

これにはどんな意味があったのでしょうか。

「オナガザメは体と尻尾の大きさが同じ」この文言がキーワードになることは確かです。

オナガザメは、狩りをする際尻尾で水面を叩くことによって、小魚を捕食します。

また、サメとはいえ人間には無害なことで知られています。

このことから推察するに、オナガザメの最大の特徴である「尾」はテッドの「内面」を表しているのではないかと推察できます。

「体」は、テッドの外見を表しており、それは多くの人間に対してよく映ります。

しかし、「尾」は驚くほどに残忍で凶悪な内面。体と同じだけの大きさを誇っています。

この2面性を持っているオナガザメは、テッドとの共通点が伺えます。

まとめ

a fox lying on a rock
Photo by Roy S. on Pexels.com
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今回は、実話を元にした傑作「テッド・バンディ」をレビューしまシタ。

実際の事件の映像や、音声をドキュメンタリーで見た後なので、かなり容姿や事件時の情報などを的確に作品に盛り込んでいるんだなということが伺えました。

ザックエフロンのイケメンさと、誠実さの裏にチラチラと見える狂気の演技には脱帽。

リリーコリンズの演技はまあまあ上場と言った感じ。眉毛を細くしていたので、いつもよりちょっと印象が違いました。

テッドの妻で、獄中で子供を妊娠したキャロルを演じた「カヤ・スコデラリオ」がとっても可愛かったです。

あまり他の作品で見ないのですが端正で知性のある容姿です。ちなみにキャロルは、テッドの自白後、娘と共に名前を変えて今も姿をくらませています。

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