【映画】Spider Man – No Way Home

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シリーズ系映画のシンギュラリティ

※この記事は大幅なネタバレを含みます。!Spoiler Alert!

作品情報

作品名:Spider Man – No Way Home(邦題:スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム)
主演:トム・ホランド
監督:ジョン・ワッツ
ジャンル:アクション・ヒーロー
公開日:2022/1/7(JPN)
筆者評価:★4.9(人生最高得点)

ざっくりあらすじ

起:世間に正体がばれて困ったスパイダーマン。友達の魔術師に頼んで世界中の人々の記憶を改変しようとするが、いろいろ失敗してパラレルワールドの敵を招く。

承:敵とはいえ、トムホにとっては知らない人なので一緒に敵の問題を解決しようと助けてあげようとする。

転:結局敵は敵だった。母親同等のメイおばさんが殺害される。トムホ怒る。

結:敵を無力化する装置を使い、無力化。元の世界に戻す。

考察

映画Spider Manシリーズは、2002年に主演トビー・マグワイアで公開された「スパイダーマン」からスタートしました。
今回のノー・ウェイ・ホームまでに、公開されてきたスパイダーマンシリーズは以下の通り。

トビー・マグワイア版 スパイダーマン
「スパイダーマン」
「スパイダーマン2」
「スパイダーマン3」

アンドリュー・ガーフィールド版 スパイダーマン
「アメイジング・スパイダーマン」
「アメイジング・スパイダーマン2」

トム・ホランド版 スパイダーマン
「スパイダーマン:ホーム・カミング」
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」

今回のノー・ウェイ・ホームは、トム・ホランド版の3作目にあたり、
トビー・マグワイア版1作目から約20年目の作品となります。

マルチバース(並行世界)の敵。そして…

本作ではマルチバース(パラレルワールド)から、過去シリーズのヴィラン(悪役)が登場するということで、スパイダーマンファンの間で注目を集めていました。
予告編ではおなじみの敵「グリーン・ゴブリン」や「ドクター・オクトパス」などが確認でき
ここまででも十分、見る価値があり、製作陣の熱量を感じられるものでした。


予告編では、過去スパイダーマンを演じたトビーやアンドリューの姿は確認できず
いわゆる「大人の事情」で出演はないのであろうと理解。
(そもそもMCUに過去作は関係ないし、難しいだろうなという気がしてた。
それにトビーとアンドリュー出るなら予告した方が客入るだろうからなあ。とも。)

しかし公開早々、IMAXにて本作を見たところ、その理解は間違っていた事に気付きました。
諸々の展開ははしょりますが、開かれた次元の扉からはトムホじゃないスパイダーマンが。
マスクを取ると、それはアンドリューでした。なんとサプライズ出演!
劇場からは「おぉー」という声と拍手。あまり日本の映画館では体験できない瞬間でした。
(後々、youtubeでアメリカでの観客の反応見たけど、音声割れるくらい騒いでた笑)

続いて次元の扉から現れたのは、トビーでした。
過去20年間の歴史がつながった瞬間でした。

名作に為しえなかった偉業

バットマンや、ジェームズボンドなどもピーター・パーカーと同様、複数の役者がバトンを受け取り演じてきました。
しかし、ベン・アフレックとクリスチャン・ベールが2人がかりでジョーカーの取り調べをしたり、
ショーン・コネリーとダニエル・クレイグがマティーニを乾杯することはあり得なかったわけです。

歴代バットマン
歴代ジェームス・ボンド

この、「ディズニーランドにミッキーは1人しか存在できない現象」とでもいうべき暗黙のルールが打ち破られ、過去作スパイダーマンが集結したことは、映画の歴史に起きた一種の特異点と言えると思います。

「007シリーズ」などの超能力などが存在しないリアリスティックな映画ではまず実現できないものです。
仮に設定としては実現可能そうな映画であっても、権利関係が絡んでくるものでもあります。

ストーリー展開として、トムホランド版のみしか見ていない人にも違和感がないように作られており、
その点にも関心させられました。
そのうえでファンにだけ伝わる胸アツ展開がちりばめられていました。

これからの映画

そもそも、MCUという試み自体も特異点となっていた映画界。
これは「横の繋がり」と言えるでしょう。
単一世界に複数作品のヒーローという形態を作り出したことは、画期的なことでした。
ここに今回のいわば「縦の繋がり」が追加されたわけです。
単一作品の過去作品の集結。
これによってこれからの映画では、10年・20年スパンで構想を練る必要も出てきたかと思います。
(もともとある程度はあるとは思うけど、Moreっていう意味で。)

僕たちが今見ている映画たちが、10年後・20年後にもっと大きな意味を持って返ってくるのでは。
と思うと、今から期待ができますよね。

生きてきた時間・自分の人生を振り返ることもできる。これが映画の良さでもあると思います。
そんな気持ちにしてくれた点も鑑みて、★4.9を付けました。
親愛なる隣人は、愛すべき自分自身に気づかせてくれました。

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