古き良きアメリカが香る
今回は2022/1公開の「The Tender Bar(僕を育ててくれたテンダーバー)」をレビューしマス。
筆者評価は★4.2
主演:タイ・シェリダン
監督:ジョージ・クルーニー
本作はAmazonPrime限定配信映画です。視聴はこちらからhttps://amzn.to/3vbA8pz
キャストが非常に豪華な本作。主演のタイ・シェリダンは「レディ・プレイヤーワン」でも主人公ウェイド・ワッツを演じました。
キーパーソンであるチャーリー叔父さんは、「バットマン」や「ゴーンガール」などを代表作にもつベン・アフレックが演じました。
本作はこのベン・アフレックの演技がとても良かったです。
本作はピューリッツァー賞を受賞したJRモーリンガーの自叙伝、「The Tendar Bar」が原作となっています。
ざっくりあらすじ(ネタバレ)
※本作は、ストーリーというよりもゆったりと映画世界を味わう作品です!
最低の父親と、心優しい母の間に生まれた少年「JR」は、母親の実家に連れられ祖父や叔父たちと暮らすことになります。
JRは本と出会い、作家を志すようになります。
叔父さんの経営するバーで、常連客と酒・タバコに囲まれながら、本を読むJR。
勉強を頑張り、イェール大学に合格したJRは大学生活の中でシドニーという女性を出逢います。
二人は愛し合いますが、実はシドニーには他に恋人がいました。
JRはシドニーにこのあと9回フられます。
大学を卒業したJRですが、作家になりたいので就職しません。が流石に就職しておこうかなと考え、NYタイムズに就職。
このタイミングで父親と会うことを決めたJRですが、やはり父親がクズだったことを知ります。
自分にとって大切なもの、本当の「父」を知ったJRは、作家として生きることを決意。
決意を決めたJRに、チャーリーおじさんは愛車をプレゼントするのでした。
JRにとっての父親
JRの実の父親は、NYでラジオのパーソナリティをしている、クズ男です。
すぐに人に暴力を振るい、アルコール中毒、養育費は払わず、子供との約束さえ守らない男です。
しかし、幼少期のJRは彼のラジオを欠かさず聴きました。
父親がそばにいないJRにとって、ラジオから聞こえてくるその声で、父親の存在を感じられたからです。
そんなJRのそばに、どんな時も道を示してくれたのはチャーリー叔父さんでした。
大人になったJRは、父親との因縁にケリをつけます。警察に通報し、父親の暴力を報告したJR。
JRにとって、「父」はチャーリー叔父さんなのです。
どんな時も、1人を男として敬意を持って接してくれたチャーリー叔父さん。
彼の営むバーこそが、自分の故郷であり、彼こそが故郷なのです。
彼のような「かっこいい男」になりたい。自然とそう思える存在であるチャーリー叔父さんが「僕を育ててくれた」のです。
ゆったりと味わう70年代アメリカ
本作では70年代の洋楽が多用されています。
70年代アメリカの街並みや、ファッション、バーやダイナーの雰囲気などをゆったりと味わえます。
あらゆるところでタバコを吸う様子や、当たり前のように酒を飲んで車を運転したり、「男とは!」のような言論が並べられるなど、現代とは相反した世界にも関わらず、味わい深い画となっています。
香ってくる映画。とでも言いましょうか。
特にセリフがないようなシーンでも、なぜか見れてしまう魅力があります。
ベンアフレックの演技がいい
本作は主演のタイ・シェリダンの演技もさることながら、チャーリー叔父さん役のベン・アフレックの演技がかなりいいです。
バットマンやアルゴ、ゴーンガールなどのベンアフレックのイメージが強かったので、「ベンアフレック=寡黙な男」というイメージでした。
しかし本作では、バーを経営するガツガツと喋るアメリカンな男。
ダンディさと爽やかさの共存する不思議な魅力を持っているチャーリー叔父さんに、観客も知らず知らずのうちに心を許しています。
表情やセリフ一つ一つに、観客の読み取れる情報が多く、ベンアフレックの演技によって作品に奥行きが生まれています。
まとめ
今回はAmazonStudioの「僕を育ててくれたテンダーバー」をレビューしまシタ。
日本人なのになぜか懐かしさを感じるアメリカ風景が楽しめマス。
何の気なしに鑑賞した本作ですが、繰り返し見たい1本に入ってきました。
特に大きなオチがあったり、波のある映画ではないのですが、ゆったりと豊な気持ちになれる穏やかな映画です。
100分ほどの映画と短いですが、これが200分でも見れてしまいそうな魅力があります。
まだ見ていない方は是非見てみてください。
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