【映画レビュー】Netflixアニメ「バブル」【ネタバレ感想考察】

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「ぽい」ことだけ並べた駄作

KOX
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今回はNetflixで4/28から公開されているアニメ映画「バブル」をレビューしマス。

筆者評価は★2.9

出演:志尊淳/りりあ。/広瀬アリス/梶裕貴/宮野真守

かねてから目をつけて期待していた、「バブル」。

公開日に早速みてみましたが、途中で見るのをやめようかと思うほどの駄作でした。

とにかく退屈。ヴァイオレットエヴァーガーデンのような動きがなく鬱屈としているのに退屈がない名作とは裏腹に、動きも色も多いのに非常に退屈でした。

特にメッセージ性も高くないので、「ぽい」映画を見たいという少年・少女にはいいかもしれないですね。

映像だけ楽しむというか。

ざっくりあらすじ(ネタバレ)

※死ぬほど内容がないので、ざっくりしまくります

世界中で「バブル」という泡が降る現象が起きているある日、東京タワーを爆心として爆発が起きます。

東京は丸々巨大なバブルに包まれます。最初は色々調査のために人々が出入りしますが、何もわからないということで東京は放棄されます。

政府は立ち入りを禁止しますが、少年少女たちがこのバブル内に入っていき、中で暮らしています。

「バトルクール」というパルクールで競い合う競技で、食料を戦利品にして生活しています。

音過敏症のヒビキはバトルクールのエース。彼は爆発の日、東京タワーにいました。そのため思い入れがあります。

ある日タワーへ向かうと、強力な重力場によって海に落ちてしまいます。溺れかけていると、一つのバブルがヒビキの元へ。

女の子へと姿を変えたバブルはヒビキに口渡しで酸素を送るのでした。

命を救われたヒビキは、この女の子と仲間の元へ。共に暮らすことに。

名前もなく、ろくに話せない、何でもかんでも食べるこの女の子に「ウタ」と名前をつけて共同生活します。

この後バトルクールなど色々あって(全くストーリー関係ないので省略)

東京タワー付近で「第二次爆発の兆し」が見えたことから、ウタとヒビキは爆心地へと向かいます。

東京タワーに入ると、爆発前の少年ヒビキの姿が、時が止まった状態で存在していました。

そこでヒビキは当時のことを思い出します。ヒビキは外から聞こえる「歌声」に、「聞こえてるよ」と返した直後、爆発に巻き込まれたのでした。

爆発から守ってくれたのは、あの時歌っていたバブル、つまり「ウタ」だったのです。

ウタは、爆発から東京を守るため、バブルの親玉と対峙。ボロボロになりながらも守ります。

ウタを救出するヒビキでしたが、ウタは消えていくのでした。

ウタはいなくなりましたが、ヒビキはウタと出会うことで、社交的になり礼を言えるようになりました。

終わり

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全てが記号的

いろんな作品の「ぽい」情報を入れるだけ入れて、そのそれぞれに深みが全くないので、アニメのファストフードとでもいうべき、浅い作品です。

「水没した東京・バブルが降る(異常気象)」はまんま「天気の子」。

「パルクール」は「進撃の巨人の立体機動装置」の劣化版。

「敵側の存在なのに味方になり、最後は消えていくウタ」はあらゆる作品で死ぬほど出てくる存在です。

これに加え、キャラクターの作り込みが非常に浅いです。

主人公はもちろん、周りのキャラクターもどこかでみたことのあるような存在ばかり。うんざりです

主人公のことをよく思っていないけど、いざという時助けてくれるライバルキャラは、サスケだし伏黒だしアキくんだし。

コスチュームもただのジャージみたいなものだし。とにかく見ていてつまらないの一言。

特に背景ドラマもありません。孤児?ということでみんな共通しているようですが。それだけか。という。

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リアルにしたいの?ファンタジーなの?

本作の舞台は、紛れもなく「東京」です。

この東京は、我々のよく知る「東京」です。

animateの看板や、龍角散ダイレクトの看板、マツキヨの看板。飲んでいる水はいろはす。渋谷スクランブル交差点が水没していたり。

我々が日々暮らしている東京な訳です。これを見るに、製作陣は「リアル」を好んでいるようにも思えます。

かと思えば、バブルによってこれだけの異常事態が起きているのに「世界が東京を放棄した」とか

立ち入り禁止しているけど、「少年少女が勝手に入っていって暮らしている」とか

「食料をバトルクールというスポーツで取り合っている」とか

「こんなに水没しまくった環境なのに、パソコンは普通に使えるし電気は通っているし、ガソリンなどには困っていない」とか。アンリアル」な情報が目立ちます。

結局リアルにしたいのか、アンリアルにしたいのか?なんなのかがわかりません。

まあおそらく普通に、「雑」なだけだろうとは思いますが。

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重力は壊れてない、好きに飛べない

本作のキャッチフレーズ「重力は壊れた、好きに跳べ」

これがそもそも間違っていますね。

本作視聴前はもっとGravity Daze的な世界なのかと思いましたが、違いました。

普通に重量は存在しています。無重力状態や、超低重力状態にはなってません。

「重力は壊れた」というキャッチフレーズの作品の中で、主人公が自重トレーニングするシーンには、呆れて笑ってしまいましたね。

普通の重力世界に、ブラックホール的な「重力の渦」と、泡のように浮くのに踏みつけることができる「バブル」という要素が追加されているというイメージです。

ポスターなどでウタが上下逆さまに空中を漂っていたので勘違いする方が多かったと思いますが、この辺りは普通に重力あります。

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声優がひどい

本作の主人公ヒビキを、俳優の志尊淳が。ヒロインのウタを「りりあ。」というTiktokerが務めました。

最低でした。この、声優以外がアニメ出演する文化、もうやめませんか?

ドラえもんやポケモンなどで、ゲスト出演としてその年の有名人がちょい役で出るとかは理解できます。

主人公2人を、いわば素人が務めるのはなんなのでしょうか。

志尊淳は基本棒読みで、ボソボソと聞き取りづらく全く惹き込まれません。ウタに関してはもう、その辺の女の子にやってって言ったようなレベル。

というかりりあ。って誰なんですか….

もちろん他の声優さんの演技は良かったです。特に梶裕貴くん。さすがとしか言いようがないですね。

アクションシーンがかなり立体機動装置なので、そこに梶くんの声が入るとめっちゃくちゃ進撃の巨人でした。

特に驚いたのは「広瀬アリス」の演技。

広瀬アリスが演じたのは「マコト」という、巨乳のメガネお姉さんです。

感情の起伏がありながらも、年上としての包容力があるキャラクターで、作品全体のナレーションも努める重要キャラ。

広瀬アリスの演技はプロの声優にも引けを取らないものでした。才能があると感じました。妹よりも全然上手いです。

アニメ作品や漫画作品への愛が強いことで知られる彼女ですから、なんとなく声の出し方などが染み付いているんでしょうね。

他の方のレビューを見ても、広瀬アリスの演技には皆さん満足されていたようです。

ヒロインのウタよりも全然魅力的なキャラクターとなっていました。あっぱれ。

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ウタの正体は?バブルとは?

結論から言うと作品中、ほぼ言及ありません。ので考察してみます。

ウタの正体は、「バブル」の一つ。東京に降るバブルのうちの一つで、自分の歌声をヒビキに聞いてもらったことで、ヒビキに恋心を寄せるようになります。

バブルという存在でありながら、ヒビキに心を開いている存在ということですね。

では「バブル」とは何か。これは作中描かれません。が、ウタのように知能を持った生命体の集まりであることは確か。

つまり、バブルはエイリアンということですね。

ヒビキがウタと「歌声」としてコミュニケーションを取ったことに、バブルの親玉が腹を立て「怒りを買い」、東京を中心に爆発が起きた(と解釈しました)。

ウタはバブルでありながらヒビキを救うため、バブルと戦うことになるわけですね。

とはいえなぜいち、下っ端バブルのウタが、親玉のバブルと対抗できる能力を持っているのかは謎です。この辺りも雑ですね。

結局このバブルがどこから来て、なぜ地球にいるのか、なぜふり続けるのか、どう言った物質なのか、この辺りは全く謎です。

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まとめ

close up photo of a fox
Photo by patrice schoefolt on Pexels.com
KOX
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今回は「バブル」をレビューしまシタ。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を「現代的アニメ要素の傑作」と置くと、その反対に位置する作品になりそうです。

現代作品・文化の悪いところが全部出ているのが「バブル」ですね。

キャラデザ「小畑健」とのことですが、結局作画は小畑健ではないので、小畑イズムは感じられず、超チープなキャラクターになってます。

良かったデザインとすれば、アンダーテイカーの「siri」で喋る男でしょうか。そのくらいです。

「映像がいい」みたいなレビューが多いですが、これさえ思いませんでした。

それっぽい色彩を並べて、「ここ注目して!」のシーンで絵のタッチを変えて、静止画ベースで美麗画像を出す。これって映像作品としてどうなんでしょうか。漫画的な表現ですし、何より見づらいです。

これ以上書いていると文句だらけになってしまうので、これくらいにしておきます。

とにかく「広瀬アリス」の演技がすごいということだけでも収穫としましょう。

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