やはりなかなか面白くなれなかったか…!
今回は2022年7月14日公開のネトフリオリジナルドラマ「バイオハザード」シーズン1を見終えたので、レビューしマス。
筆者評価:★3.1
出演者:タマラ・スマート/シエナ・アグトン/ランス・レディックなど
監督:アンドリュー・ダッブ
■この記事を書いている人
→バイオハザード歴15年以上・映画シリーズ全制覇の映画・ゲーム好き
→好きなキャラはエイダ
バイオファンの中では待望(?)の新作ドラマがネトフリから満を辞して公開になりました。
公開前の予想通り、やはり「コレジャナイ感」が否めないのと、ツッコミどころの多さや、チープさが目立つB級orC級のゾンビドラマとなっていました。
【公開前の記事はこちら↓】
シーズン1のざっくりあらすじ(ネタバレ)
2036年のロンドン。Tウィルスの影響で地表は「ゼロ」と言う化け物で覆い尽くされています。
荒廃した街の中で一人ゼロの生態を観測する科学者「ジェイド・ウェスカー」。
アンブレラや、ゼロを受容しようとするカルト宗教組織などに追われながらも、人類の生き残る術を探し続けていきます。
彼女の父はアンブレラ製薬会社で働く研究員「アルバート・ウェスカー」。
時は2022年まで戻り、アルバートとジェイド、そして妹のビリーの3人はアンブレラが作り上げた街、「ニューラクーンシティ」に引っ越してきます。
ある日、妹のビリーはアンブレラ社の中で、ウサギがケースに詰められているところを目撃。
ヴィーガンで動物愛護主義のビリーは、アンブレラが動物実験をしているのではないかと疑い、夜に父親のカードキーを盗んで謎を探りにいきます。
研究室の中には犬やウサギ、ネズミがいました。このうち、犬を誤って逃してしまい、ビリーは噛まれてしまいます。
これを知ったアルバートは、ここには来なかった事にして家へ帰れといい、ビリーが噛まれてしまったことを隠蔽。
娘が犬に噛まれたのに病院へ行こうとしない父へ不信感を募らせた姉妹は、どんどんと父やアンブレラの隠してきた過去を探っていきます。
そこで明らかになったのは、父はクローン人間であったこと。その欠陥を補うために作られたのがジェイドとビリーであったこと。ラクーンシティの事件はアンブレラが起こしていたこと。
そして、父アルバートは、本当に娘2名を愛していたということでした。
その後父アルバートは、アンブレラの追手から娘を守るため、爆発に巻き込まれてしまいます。
姉妹は父のクローン兄弟の「バート」と共にラクーンシティを脱出。
父から渡されたメモに書かれた人物「エイダ・ウォン」に会うため、日本・秋葉原に向かいます。
時はまた変わって2036年、アンブレラに居場所を突き止められたジェイド。
しかしそこに現れたのは、アンブレラの新しいトップになりかわったビリーでした。
ビリーはジェイドの腹を打ち抜き、ジェイドの娘を攫って行ってしまうのでした。
本作の位置付けは?
製作者によると、本作の位置付けはまさかのゲーム世界のカノン(正史)であるとされています。
つまり、ゲーム世界で起きた(もしくは起こる)出来事は、同じくドラマの登場人物も体験していると言う事になります。
これにはびっくり。
つまり、本作で登場する「ニューラクーンシティ」は、バイオ2・3のあの滅菌作戦を実行された「ラクーンシティ」を模して作られたものなわけです。
とはいえ、じゃあなんでウェスカーがブラックになったのか。。。
あと、アンブレラ社の社員たちがリッカーの存在を知らなかったりと、ツッコミどころは多いです。
衝撃の「ウェスカーがいいヤツ」
ウェスカーといえば、ブロンドの髪に屈強な肉体、グラサンをしながらも不気味な知性が感じられる「バイオハザードの黒幕」。
いえば「1番悪いヤツ」です。
それが本作のウェスカーは人種が変わったのは別として、内面がまさかの「いいヤツ」。
Tウィルスによって人々が命を落とすことを危惧し、娘2人のことを本当に愛している「good ダディ」。
このアプローチは非常に良かったです。
得体の知れない「ウェスカー」の正体が、クローン人間であったりだとか、Tウィルスの研究に関わっていただとか、そういったことを挟みながらも、結局は「娘を愛する父親だった」と言う結論に至るのはとても良かったです。
とはいえ、クローンのオリジナルである元々の「アルバート・ウェスカー」はやはり、いかつい髪型にグラサン、革のロングコートにブーツというゴツゴツ男。
冷酷に何の感情もなく人を殺す男です。
これは原作通りのウェスカーですね。
無駄に入れ替わる時間軸
本作は「2022年の少女姉妹がニューラクーンシティで謎を追う」パートと、「2036年の週末を迎えた世界でのサバイバル」パートの2軸がスイッチして進行してきます。
これが非常に見づらい。
特にこれといったつながりもなく、ただ、入れ替わっているだけと言う感じです。
これにくわえて、2022年パートは「父親の正体は?」や、「アンブレラの秘密は?」など、知りたいことがそこそこ出てくるので見ていて楽しいのですが、
2036年パートはひたすら戦闘という感じで非常に退屈でした。
しかも、こういった2つの時間軸をスイッチする場合は通常、未来パートで謎になっている点を過去パートで明らかにしていくべきです。
例えば未来パートでは右腕が無い。過去パートでは右腕がある。「じゃあなぜなくなってしまったんだろう?」と言うオーディエンスの疑問を明らかにしていく。
こういった作りが本来あるべき、というか王道の「過去未来」の使い方です。
今回の場合、未来では夫と子供がいる。過去ではもちろんいない。「どこでできたんだろう?」→全くこれに触れない
未来では姉妹は敵対している。過去では一心同体。「なぜ仲違いしたんだろう」→全く不明瞭
などなど。それぞれが結局のところ独立して動いているので、非常に見づらい作品となっていました。
駄作の特徴「主人公を好きになれない」
本作は主に姉妹の姉である「ジェイド」の視点で物語が展開します。簡単にいえばジェイドは主人公です。
しかし「面白くない作品の特徴」である、主人公なのに観客が好きになれない現象が起きてしまいました。
演技力云々とかではなく、キャラクターとしての魅力がかなり少ないです。
特に頭がいいわけでもなく、銃のスペシャリストでもない。
それどころか、イラっとするポイントがかなり多かったです。
残された人類のセーフスペースである船の中に、研究用にと連れ込んだゾンビが暴走し仲間が喰われてしまう。
長くゾンビの研究をしているはずなのに武器も持たずに、しかも角っこに手をぶつけて出血してしまうドジっぷり。
散々助けてもらった超強い男の人を見殺しにしてゾンビの餌にしてしまう。
過去編でも、妹がTウィルスに感染し、化け物になってしまうかも知れないと言うときに、男にうつつを抜かす…。などなど
全然主人公を好きになれません。これではなかなか難しい…。
ちなみに、他のキャラクターもなかなかダメダメ。音を出すと襲ってくる「リッカー」と言う化け物がいるトンネルを通った際、「絶対に声を出すな」と言われているのに
「何だあれは!」とか「ママ!あれを見て!」とかいう人たち。
もし僕が同じ車に同乗してたら、もう…。
そもそも、ラクーンシティの消滅を「ガス漏れで爆発してしまった事故」だと信じて疑わないこの世界の住人はみんな頭がよろしく無いのかも知れません…。
街一つが核爆弾で吹き飛んでいるのに、ガス漏れで爆発って、そりゃ無いでしょう…。
ランス・レディックの演技が最高
今回、ウェスカー役を演じたランス・レディック。
キアヌ・リーヴス主演の「ジョン・ウィック」シリーズのホテルコンシェルジュ役として有名な彼ですが、本格的に長時間演技を見たのは初めてでした。
正直いって本作はランスの演技が全てというレベル。
特に素晴らしかったのはクローンの演じ分けです。
オリジナル・ウェスカーとアルバート・ウェスカー、バート・ウェスカーの3名の演じ分けには脱帽。
わざとらしくなく、自然さを持ちながらも確実に人格が違うことがすぐにわかる。
細かな表情の変化などに長けた、超演技派俳優でした。
本作の評判見ていると、やはりランスの演技は高評価のようで、彼にとって大きなキャリアになったかも知れません。
まとめ・シーズン2は?
今回はネトフリ「バイオハザード」をレビューしまシタ。
全体としては、もはやバイオハザードとは全く別の作品として見たほうがいいかなという感じ。
加えてB級という感じの評価です。
ギリギリ、ゲームバイオ5〜6くらいの感覚を持っているかな?という印象でした。
シーズン2もおそらくこのスタイルで進むので、あまり期待はできません。
しかし最後の最後で「エイダ・ウォン 秋葉原」というメモが渡されるのはアツかったですね。
でもなんでエイダが東京にいるんでしょうか。
もしかしてエイダのこと日本人だと思っているのか…?
シーズン2以降はもしかするとレオンなどのお馴染みのキャラクターや、タイラントなども出てくるかも知れません。
一応、期待して待って見ましょう。
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