待望のシーズン4。中だるみもなく。

今回は2022公開のNetflixオリジナルドラマ「ストレンジャーシングス シーズン4」をレビューしマス。
筆者評価は★4.5
出演:ミリー・ボビー・ブラウン/フィン・ウルフハード 他
監督:ダファー兄弟
世界中で大人気・社会現象を超えて世界現象さえ起こしている、Netflix代表シリーズである「ストレンジャー・シングス」。
2016年にシリーズがスタートした本作。公開当時から「ストレンジャー・シングスを見るためにネトフリに入りました」という人も多くいるほどの人気を誇ります。
なぜここまで人気なのか?何が面白いのか?先日公開になったシーズン4をもとに考えます。
超ざっくりあらすじ(ネタバレ) ※全部で10時間くらいあります
イレブンがゲートを閉じ、ホッパーがいなくなってから1年近くが経ち、ホーキンスには平和が訪れました。
マイクたちは高校生へと成長します。
力を失ったイレブンは学校でいじめに遭っていたり、ジョナサンとナンシーがうまくいっていなかったり、色々起きている。
そんなある日、ホーキンス高校1番のマドンナ、クリッシーが身体中の骨をボキボキにおられ、眼球を潰された状態で発見されます。
その後ナンシーの友人の少年もその状態で発見。と連続殺人事件が発生。
この頃、ジョイスの元に「ホッパーは実は生きているよ」という知らせが。
ホッパーはアラスカのソ連管轄区域の刑務所で捕まっていました。
そこでは囚人とデモゴルゴンを戦わせる実験が行われていましたが、ジョイスの活躍でホッパーとジョイスは無事合流することができました。
ホーキンスの少年らは、「裏側」が関わっているだろうということを考えだします。
すると、仲間のうちの一人、マックスにも魔の手が忍び寄ります。
イレブンはこれに対抗するため、研究所で力を取り戻す実験に参加。
「過去のトラウマを克服する」ことで、力を取り戻そうとします。
そこで見たのは「ワン」との記憶。
記憶の中でワンはイレブンを騙し、研究所の人間を皆殺しにしてしまいます。
イレブンはワンをゲートの向こう側へと追放し、ワンは「裏側」で「ヴェクナ」という化け物になってしまい、現世の人々を襲っていたのでした。
ココがすごい:「わかりやすさ」

本作の最大の魅力は、ズバリ「わかりやすさ」にあります。
シーズン4は大きく分けて5つのパートが同時進行していきます。
- イレブンの能力復活パート(イレブン)
- イレブンを捜索するパート(ジョナサン・マイク・ウィル・アーガイル)
- ホッパーの獄中パート(ホッパー・エンゾ)
- ホッパー捜索パート(ジョイス・マレー)
- ヴェクナと戦うホーキンスパート(マックス・ダスティン・ルーカス・エディ・スティーブ・ナンシー・エリカ・ロビン)
この5つの話が同時並行でスイッチしていき、進んでいくわけですが、うまくやらないと話がごちゃごちゃになったり、「今何をしているんだっけ?とかココはどこなんだっけ?」となってしまいそうな所ですが、これがとてもスムーズ。
「わからない」とならないようにうまくデザインされています。
その際たる要因としては、それぞれのパートにシナジーがあることです。
イレブンの能力復活パートでは、ヴェクナの正体が明らかになっていくことで、ホーキンスパートとシナジーが生まれています。
そのイレブンを捜索している捜索パートはもちろんシナジーがあります。
ホッパーをめぐる2パートもシナジーが生まれています。
ホッパーの刑務所ではデモゴルゴンの研究が行われており、これがソ連の研究と繋がっているため、いずれイレブンの研究の全貌にも近づきそうです。
このように、5つのストーリーラインが絡み合うことで、大きな1本の線としてわかりやすくなっています。
ココがすごい:「キャラクターパワー」

お馴染みの少年少女を中心として、多くの登場人物が登場する本作。
高校の上級生や、保護者・警察・研究者・ソ連軍など、大量に人物が登場しますが、それぞれに強烈な個性があるので、一度見たら忘れられないキャラクターパワーがあります。
2016年当時には少年少女だった彼らも、あれから6年。小学生が入学してから卒業するだけの年月が経ちました。
すっかり青年・女性へと成長した彼らの関係性・思春期のあれこれ・葛藤を描く様子も素晴らしいです。
ちなみに僕の1番好きなキャラクターはマックス。

今回の青いジャージにヘッドフォンというアイコン力も加わってとても良かったです。かっこいい。
ココがすごい:「ファッションと音楽」

ストレンジャーシングスといえば、1970〜80年代が舞台となっているドラマとしても有名です。
80年代のホラー作品やSF作品のエッセンスを存分に含んだ作品です。
音楽やファッションも80sなものになっており、この世界観もストレンジャーシングスが人気を集める理由の一つです。
この世界観の構築には、日本のSF作品「AKIRA」なども大きな影響を与えているということで、「日本人の好む80年代」にも仕上がっています。
近年では日本のシティポップ(竹内まりや、山下達郎など)が世界的に注目されたり、国内でも昭和回帰現象が起きているなど、80年代の世界観になっているにも関わらず、世界の最先端を行っています。
特に今シーズンは、マックスのお気に入りの音楽が特徴的なシーズンとなっていました。
「裏側」のバケモノ、ヴェクナの呪いから逃れるためには「精神を癒す効果がある」という好きな音楽を聴いている必要があります。
音楽の聴こえる方に、現実へと戻る道が開かれるこのシーン。
ダスティンたちが懸命にマックスに呼びかけます。
マックスのお気に入りのこの曲は「Kate Bush – Running Up That Hill」。
丘を駆け上がって、ビルもこえて〜という歌詞が印象的で、焦燥感と切なさが漂うこの曲。
マックスのキャラクターイメージとも抜群にマッチしており、生死をかけたシーンともマッチ。さらに仲間に対して冷たく接してしまったことに対する後悔などともマッチしており、絶妙の選曲です。
この辺りの抜群のセンスが、ダファー兄弟だなという感じ。
全然関係ないですが、このマックスが白目を剥くシーン、撮影中の様子を考えるとにっこりですね。

そして目が青い!!目の色とジャージの色で合わせるとか出来てしまうの、すごい。
マックスはブルベ夏ですね。(パーソナルカラーの話)
シーズン4後編はどうなる?

ヴェクナの正体は、イレブンと同じだけの力を持った超能力者「ワン」であったことが明かされました。
もちろん後編ではこのヴェクナとの戦いが繰り広げられそうです。
ヴェクナは現実の人々を殺害し、その殺害した場所にゲートを作っていました。
このことから、おそらく裏側の世界と、現実世界とを統合しようとしていると考えられます。
ゆくゆくはマインドフレイヤーの支配下に置かれてしまうのかもしれません。
ホッパーがホーキンスに帰ってきてくれれば、また世界は救われるかも。
ストレンジャーシングスはシーズン5にてフィナーレを迎えるそう。
僕の予想では、裏側の怪物たちが、ゲートを通ってこちらの世界になだれ込んでくるのではないかと思います。
現実世界へマインドフレイヤーがやってきて、イレブンとの最終決戦…!
それがあり得そうな流れです。
まとめ


今回は「ストレンジャー・シングス シーズン4」をレビューしまシタ。
世界的なムーブメントにもなっている本作。
本作では、人がグチャグチャになって死んだり、部屋の中で大量の人が死んでいたり、そこそこショッキングな映像があります。
先日アメリカで起きた小学校での銃乱射事件によって、緊急で本作の冒頭に「フィクションです」との注意書きがなされたそう(日本では無い)。
これだけの人気を誇る作品ですから、多くの注目を受ける存在として、この辺りは難しい所です。とはいえネトフリなどのサブスク作品はどこまでも過激でいて欲しいものです。
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