静かな切なさと暴力
今回は、2011年公開のアクション映画「Drive」をレビューしマス。
筆者評価は★4.6
主演:ライアン・ゴスリング
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
ブレードランナー2049で主人公Kを演じた「ライアン・ゴスリング」の演技にハマり、本作を鑑賞。
正直言って、「超良かった」です。
世間の評価は★4周辺ですが、僕は世間よりも本作の評価が高いです。
映像・演技・音楽・脚本どれをとっても、一級の映画だったかと思います。
静寂が多用されており、寡黙な主人公の雰囲気を際立てていました。
自分の幸せよりも、叶わぬ愛のため、突き進んでいく姿は「容疑者xの献身」の石神教授のようなイメージです。
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ざっくりあらすじ(ネタバレ)
超卓越した運転技術を持つ「ドライバー」は、昼は自動車整備工場で勤務・バイトで映画のスタントマン、夜は犯罪者を現場から逃す「逃がし屋」として働き生活しています。
ある日、同じアパートに住む人妻、アイリーンとその息子ベニシオと出会い、二人は親密に。
アイリーンの夫、スタンダードは、刑務所にいます。
穏やかな日々を過ごしていたある日、スタンダードが釈放されます。
更生を誓ったスタンダードですが、刑務所内で雇った用心棒代の取り立てにあい、家族の身さえ危険になってしまいます。
このことを知ったドライバーは、スタンダードに協力し、質屋からの強盗を手伝うことにします。これによって借金を精算し、家族に平穏をもたらすためです。
スタンダードが質屋から出てくるのを待つドライバーですが、質屋から出てきたスタンダードは店主に射殺されてしまいます。
急いでその場を後にするドライバー。仲間の1人の女を尋問し、黒幕を聞き出します。
黒幕は、ドライバーの働く自動車整備工場のオーナー「シャノン」の知人「ニーノ」でした。
ドライバーは、アイリーンとベニシオの幸せを守るため、ニーノとその相棒「バーニー」を抹殺することを決意します。
ニーノを車で事故に追い込み、海で溺死させたドライバーは、バーニーの元へ。
バーニーに腹を刺されながらも、反撃し処分します。
アイリーンは、ドライバーの部屋をノックしますが、彼の姿はありません。
ドライバーは夜の街へ車を走らせるのでした。
オシャレで切なさが漂う
映画全体を通して、センスの良い音楽が流れていたり、静寂が効果的に使われていることでオシャレな映画になっています。
無理やりオシャレにしようという雰囲気よりも、寡黙な主人公を際立たせる作りになっているので、胃もたれしません。
冒頭のチェイスシーンでのドライバーのプロフェッショナルさにも痺れます。
孤独に犯罪と共に生きてきたドライバーが、初めてアイリーンとの間に「愛」を見つけつつも、戸惑いを感じる様子や、2人の幸せを優先するシーンも非常に良く作られています。
寡黙で無表情なドライバーが、この2人といるときにだけ、ささやかな幸せに笑う…。
映画鑑賞後にこのシーンを見直すと、込み上がってくるものがありますね。
ドライバーが寡黙なことによって、観客の間でそれぞれアイリーンへの感情が想像され、映画へどんどんと入り込んでいきます。
ドライバーの暴力性
寡黙なドライバーですが、愛するアイリーンとベニシオの幸せを脅かす存在に、溢れ出る怒りを見せます。
その怒りは暴力として現れます。一切の容赦がない点が素晴らしいです。
突然後ろから手をハンマーで粉砕したり、溺死させたり、何度もナイフで刺したり。
普段寡黙で感情を露わにしないドライバーが、やりすぎでは?というほどギタギタにする様子で、いかにアイリーンを愛しているのかが伝わります。
加えて、アイリーンを愛することによって、自分にも温かい血が巡っていることを実感できたのに
それを奪われてしまったことへの怒りも感じられました。
アイリーンとのキス
作中、1回だけキスシーンがあります。
ドライバー・ニーノ・アイリーンの3人でエレベーターに乗った際、ドライバーはアイリーンを守るため、この刺客を抹殺することを決意。
これは、アイリーンの前で自分の裏の顔を晒すことを意味します。
アイリーンの前で美しい存在でいられる間に、一度だけキスをするのです。
この直後、アイリーンの前でこの刺客を殺害。顔が潰れるくらいに踏み潰します。
アイリーンは絶句。ここも何のセリフもないまま、エレベーターのドアが閉まっていきます。
ここから、アイリーンとドライバーが会う事はありません。
最初で最後、愛に溢れたキスでした。深さがあるキスシーンで、直後襲うバイオレンスとの対比も素晴らしかったです。
サソリのジャケット
ドライバーは、サソリが大きく刺繍されたジャケットを着ています。
これは、「サソリとカエルの寓話」が元になっています。
【サソリとカエルの寓話】
川を渡りたいサソリは、カエルに背中に乗せて渡らせてくれと頼みます。
カエルはサソリを乗せて渡りますが、途中でサソリはカエルを毒針で刺してしまいます。
「僕を刺したら、君も川に沈んで死んでしまうぞ」とカエルは言います。
サソリは「これが僕の性なんだ。ごめんよ。」と返し、2匹は沈んでいくのでした。
要は、サソリはどんな時もサソリでしかいられない。ということ。
一度は愛を見たドライバーも、生きる世界は表ではなく、裏。
表世界で生きるアイリーンとは相容れぬ存在なのです。
特に、次々と刺客を葬り去っていくシーンで常にこのジャケットを脱がないあたりに、強いメッセージを感じることができます。
まとめ
今回は2011年公開の「Drive」をレビューしまシタ。
人生で繰り返し見たい映画の1本に入ってきまシタ。
ライアン・ゴスリングの独特の雰囲気と寡黙な男という超ハマり役と、美しいキャリー・マリガン演じるアイリーンというハマり役の2人が見ていて飽きませんでした。
ストーリーとしてはそこそこ王道なものの、表現の仕方がとてもツボでした。
グロ表現がそこそこグロいので、苦手な方は見ない方がいいかもしれません。
大人向けのオシャレな映画です。
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