【HUNTER×HUNTER】なぜ僕がハンターハンター 連載再開を待てるか【冨樫義博】

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HUNTER×HUNTERと休載

HUNTER×HUNTERは、週刊少年ジャンプにて1998年3月16日より連載開始した、
主人公ゴンが親友キルアと共に、会ったことのない父親ジンと会うため、冒険を続ける少年漫画。

現在2022年時点で連載開始から23年が経過しており、単行本巻数は36巻が発売。
HUNTER×HUNTERは休載する事が恒例で、3年ほどの期間が空いて最新話が公開されることはしばしば。

HUNTER×HUNTERよりも後に連載が開始したNARUTOは72巻を最終巻として完結。
BLEACHは74巻にて最終巻として完結。
仮に休載期間がなければ、HUNTER×HUNTERも80巻近く発売されていたでしょう。

当たり前ですが、休載をする間は物語は進まないわけですから、読者の熱が冷めていくのが通常です。
しかしHUNTER×HUNTERの連載再開がアナウンスされると、たちまちTwitterではトレンド入りし、
全国の書店からジャンプが無くなってしまうほどの人気を持ち続けています。

連載再開をアナウンスする週刊少年ジャンプHP

待つだけの価値

ではなぜ、読者はHUNTER×HUNTERの休載期間を耐える事ができるのでしょうか。
連載開始時13歳だった読者は、もう35、6歳になっています。
それでも読者はHUNTER×HUNTERの連載を待っています。

以下では、僕がなぜ「待つだけの価値がある」と思うかについて話してみたいと思います。

 待つだけの価値

  • 非常に現実的・社会派な内容
  • レベルの高い伏線
  • 予測の難しさ

この3つが、僕の思うHUNTER×HUNTERの連載を待つに値する価値です。

一つ一つ話していきます。

現実的・社会的な内容

HUNTER×HUNTERは、少年誌で連載しているとは思えないほど、残酷な描写・社会的な内容があります。
多くの場合、敵=悪とした上での勧善懲悪が主である少年漫画において、「敵にも戦う理由があり、それが敵にとっての正義」というシチュエーションは、漫画としての「格」を1段階上げてくれます。

その上で、HUNTER×HUNTERはもう1段階先。「敵が正しい」というところまで行き着いています。

©︎集英社

上記で言葉を発している生き物は、敵の王であるメルエムというキャラクター。
人間社会で起きている貧困問題・難民問題に対してのコメントです。
メルエムの圧倒的な力の支配下で、人間を平等に生活させてあげるよとの話を持ちかけます。
これには人間代表のネテロというキャラも「…」とノーコメント。
もはや、歪んだ人間社会を俯瞰で見た者からのコメントに返す言葉もないのです。

他にも、主人公サイドが悪にさえ見えてしまうようなシーンがHUNTER×HUNTERには多くあります。
敵キャラの人気が高いのも、こういった事が理由なんでしょうね。
この辺りは、進撃の巨人などでも共通しているのではないでしょうか。

レベルの高い伏線

HUNTER×HUNTERの魅力といえば、そのレベルの高すぎる伏線が挙げられます。

序盤、ヨークシン編で登場する、当たると言われる占いで「向かうなら東がいい」との文言があります。
これものちに向かう土地、グリード・アイランドが東にあることで伏線が回収されており、未回収の文言もこれから回収されるのではないかと言われています。

このほか、カイトというキャラクターが死後女の子として転生した際には、
カイトの師匠ジンとカイトの名前が天然石「ジンカイト」から来ており、
その石言葉が「復活」であった事が伏線であった事に気づかされます。

天然石:ジンカイト

表紙の絵にも様々意味が隠されていたり、言葉の節々・表情などにも繊細な意味が存在しています。
漫画を読むと言う楽しみを十分に与えてくれる作品が、HUNTER×HUNTERなのです。

予測の難しさ

最後にあげる魅力は、「予測の難しさ」です。

HUNTER×HUNTERは、少年漫画のお決まりを破っていくところがまた1つ魅力としてあります。

例えば、物語序盤で仲間となるゴン・キルア・クラピカ・レオリオという4人。
ワンピースで言うところの、ゾロ・ナミ・ウソップというような立ち位置のキャラです。
通常の少年漫画であれば、この4人が助け合って物語を共にしていきます。しかしHUNTER×HUNTERでは特定のキャラが居たり居なかったりします。この時点で、通常の少年漫画とは異質な存在である事がわかります。

最も「狂っている」(良い意味でね)とさえ思うのは、キメラアント編にて、敵の王(いったらラスボス)と主人公ゴン・キルアが戦わない事です。

戦わないどころか、直接面と向かって会うこともありません。ここが作者富樫の狂っているところですね。

「死にゆくメルエムと看取るコムギ」©︎集英社

しかも加えて、王であるメルエムは毒入りの核爆弾のようなものを食らい、毒に侵されて死んでいきます。

漫画で散々描かれた戦闘シーンの後ではなく、なんと毒に侵されて死んでいくのです。
ここに、戦争というものの悲惨さや、絶望を表しています。天才だな。。

ちなみに、このシーンは僕の人生でもベスト3に入る「美しいシーン」です。

まとめ

今回はなぜ僕がHUNTER×HUNTER連載再開を待てるかという理由を紹介しました。

HUNTER×HUNTERという作品に触れた事がなく、なぜここまで人気があるのか理解ができない方に、
少しでも知っていただければ幸いです。

さらに興味が出た方はぜひ漫画を読んでみてください。

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