早川アキ家シーンに集中して解説
今回はアニメ化されたチェンソーマンについて、作画に着目して解説してみマス。
チェンソーマンは、週刊少年ジャンプで連載されていたダークファンタジー・バトル漫画で
チェーンソーの悪魔の力を持つ主人公デンジが、女性の胸を揉みたいという動機で戦うという謎すぎる物語。
そんなチェーンソーマンが2022/10/11よりアニメ化され、現在放送中。
作画スタジオは、進撃の巨人などで知られる「MAPPA」。
進撃の巨人時には途中から作画会社が変更となったため、さまざまな声があったものの、一定の評価を得ていました。
しかし今回のチェンソーマン、とにかく作画がすごい。
第4話「救出」でパワーがアキの家にやってくるシーンに集中して観察してみます。
ちなみに…
こんだけ語ろうとしていますが、僕はアニメチェンソーマンは見ていません。
だいぶ前にマンガで読了していて、アニメが始まったなーくらいにしか思っていませんでした。
しかし、SNSなどで流れてくるアニメ映像を見て驚愕。「なんでこんな作画凝ってるの?」
そしてこの記事を書くに至っています。
圧倒的な「採光」表現
アキが作ってくれたカレーを3人で食べるシーン。
このリビングには、窓が一つあります。
視聴者は、窓側からの視点に立って、奥に玄関が見えています。
日中であるので、部屋の電気はつけていません。
そうなった時、部屋の中はどうなるか?想像してみてください。
MAPPA作画では、徹底的にそこが描かれています。
窓の外から入ってきた太陽光は、フローリングに反射し、部屋の中で広がります。
上の画像にオレンジの矢印で書いているのが太陽光だと思ってください。
観客の背中側からキャラクター側に抜けていく光は、ただ単にキャラクターの「窓側を照らす」のではないということが見えてくるかと思います。
デンジの体、右側に光が当たっていますが、顔には光が当たっていません。
これは、フローリングに反射した光が下からデンジに当たっていて、「デンジの体の影」にデンジの顔が入っているから。
そして、顎が光っているのは、手を合わせた腕の間から抜けてきた光が、顎を照らしているから。
段々と、この作画のエグさがわかってきたのではないでしょうか。
パワー側。パワーは、またデンジと違った光の当たり方をしています。
パワーも顎下が少し光っているのがわかります。これはデンジと同じ原理で、床に反射した光を受けています。
しかしパワーは体の後側に多く光を受けています。
でも、パワーの後ろに窓はありません。
これは、矢印のように侵入してきた光が白い壁に反射し、背後全体を照らしている表現です。
さらに、この赤枠で囲った部分に注目してください。
手前から奥にかけて、きれいなグラデーションで壁の色がが暗くなっています。
これによって、光の方向を自然に認識させ、奥行き感を伝えています。
さらにこれ、よく見ると、左下から右上にかけて暗くなっているのが分かります。
これも、フローリング反射を表現しています。
ここまでの説明で、この画像ももう何がすごいかは分かりますよね。
デンジの「下から」光が当たっているのが分かります。
鼻の穴側が光っています。本当に芸が細かい。
まとめ
今回はチェンソーマンの凄すぎる作画の秘密についてお話ししまシタ。
チェンソーマンは、少年漫画の枠を絶対に超えている、超哲学・陰鬱・難解漫画。
心理描写が肝となるこのマンガで、こういった作画ができるのは素晴らしいことです。
人気が出て、実写映画化とかで山崎●人とか、山田●介とかがデンジをやらないことを祈るばかりです。
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