愛と真実を追う父。残るのは。
今回は2021年公開のサスペンス/ドラマ映画「スティル・ウォーター」を解説しマス
筆者評価:★4.0
出演:マッド・ディモンなど
監督:トム・マッカーシー
マッド・ディモンの寡黙でダメなおっさんの演技が本当に光る本作。
栄華を想起させるフランスの情景からかけ離れた、生活の実態と、間違いなく存在している愛の風を感じられる作品となっていました。
ハッピーエンドという感じじゃないので、好き嫌いは分かれるでしょう。
1. あらすじ
物語は、ビル・ベイカー(マット・デイモン)が娘のアリソン(アビゲイル・ブレスリン)の無実を証明するために、フランスへの壮大な旅に挑むところから始まります。
アリソンはフランスで犯罪に巻き込まれ、服役中の犯罪者との関係を疑われて有罪判決を受けた。
ビルは彼女の無実を信じ、新たな証拠を探し出し、法的手続きを進めるためにフランスに向かう。
ビルの闘いは決して簡単ではありません。彼は言語の壁、文化の違い、そして犯罪の闇と向き合いながら、娘の名誉を回復しようと奮闘します。
その旅路の途中で出会った親子との関わりの中で、愛を見出し、また家族の在り方を細やかに見つけ出していきます。
物語は感動的な家族の愛と絆を強調し、真実を求めて不屈の信念で前進するビルの姿を描いています。
2. 本作の持つ3つの軸
「スティルウォーター」は、3つのメッセージ軸に分解して観ると理解しやすいです。
①家族の愛と献身
映画はビル・ベイカーの愛する娘のために尽くす父親としての姿を描き、家族の愛と献身を称賛しています。
ビルの決意は家族愛の象徴であり、観客に感動と共感をもたらします。家族愛は、困難な状況に立ち向かう力を引き出し、物語全体を支えています。
②真実の探求
映画は真実の探求を中心に据え、アリソンの無実を証明しようとするビルの闘いを通じて、信念と正義の力を強調します。
物語は真実を見つけ出すために困難な選択や試練に立ち向かうビルの姿を描き、観客に自己犠牲と信念の重要性を感じさせます。
真実を求めるプロセスは、道徳的なジレンマや倫理的な決断を探求し、物語に深みを与えています。
③文化と誤解
映画はアメリカとフランスの文化の違い、言葉の壁、外国での立場などに焦点を当て、文化的な誤解と対立を探求します。
フランス人はフランス語しか話したがらないみたいな話をチラ聞きしたことがありますが、まさにそんな雰囲気が栄華内には漂っています。
ビルがフランスで行動する過程で、異なる文化や価値観との摩擦が浮き彫りにされていきます。
このテーマは、異なる文化間での対話と理解の重要性を強調し、物語に複雑さと深みをもたらします。
3. マット・デイモンの演技
マット・デイモンは「スティルウォーター」で圧倒的な演技を披露し、ビル・ベイカーとしてのキャラクターに深みを与えました。
彼の感情豊かな演技は観客に感情移入させ、物語の感動的な要素を際立たせます。
マットの演技は、ビルの複雑な感情や苦悩を魅力的に表現しており、映画の核心を支えています。
あとは作品全体通してずっとマットの被っている帽子が汚すぎる(笑)。
それも少なからず、ビル・ベイカーのダメさというか、そういった雰囲気を出すことにも寄与していると思います。
4. まとめ
「スティルウォーター」は家族の愛、真実の探求、文化的な対立といったテーマを通じて、感動的なストーリーを描いた映画です。
「スティルウォーター」は観客に感動的な旅を提供し、真実と愛の追求がどれほど強力で困難なものであるかを示してくれます。
娘を取り戻しつつも、実は有罪であったと知る父。そしてフランスで見つけた愛を手放した男。
何もうまくいっていないはずなのに、ラスト親子がわかりあう姿のほっとすることができる、不思議な作品でした。
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